くらげたちへのレクイエム4

都内金融機関にて社会人7年目。 東京大学法学部卒。メインは読書記録を書いていく予定。▽キーワード:自己啓発、金融、野球、政治、M&A、競馬、AKB、大家志津香、異国のパルピタンテ、ヴィヴィアン・ゆん、dora☆dora、一色葵

『僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。』出雲充

ユーグレナについて今まで、知っていたことは東大卒で銀行出身の現社長が大学時代の友人と始めた農業ベンチャーということ。正直なところ、この本を読む前までは、出雲社長について、銀行である程度安定した人生を歩もうとしたところで、友人が事業化しそうな材料をみつけたから起業したある意味運のいいベンチャー経営者だと思い込んでいた。
しかし、この本を読んでそれは間違いだと気付かされた。彼は、高校時代から、世界の飢餓問題、エネルギー問題について解決したいという思いを抱いていたのである。そして「仙豆」のような農産物を探したとき、動物的な要素と植物的な要素を持つミドリムシと出会い、ミドリムシに人生をかけることを決めた。銀行への就職は、ミドリムシを通じて「破壊的イノベーション」を起こし、世界を救うという夢に向けた一つのパーツだったのである。
銀行を退職した時も、まったくビジネス化の見通しはたっていなかった。また、ビジネス化の目途がたった後も、それまで支援を受けてきたライブドアへの風評被害もあり、決して順風満帆な道ではなかった。ほかのベンチャー起業家と同様に胃がヒリヒリするような経験を出雲社長も経て今があるのである。
参考になったのは、人間の進歩に資するテクノロジーが世間に受け入れられるには、「サイエンティフィカリー・コレクト」(科学的に正しいこと)と、「エモーショナル・アグリーメント」(感情的な共感)の両方が必要。そのためには、経営者自身が、この領域では自分がナンバーワンであるという自信を持つこと、夢を多くの人にあって共感してもらうことが必要。事業が論理的、科学的に正しいということだけではビジネスを成功させることができず、顧問や少数株主など、誰がその夢に共感してくれたかということも重要であるということを実感した一冊だった。
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  1. 2017/10/01(日) 06:09:17|
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『職業としての地下アイドル』姫乃たま

潜行に続いて、姫乃たまの2作目の作品。失礼ながら、「地底アイドル」にカテゴライズされるであろう彼女が、大手出版社から新書を出すということ自体が、地下アイドルとしてもがく少女たちに勇気を与えるメルクマールであると思う。
読み始めた当初は、とある地下アイドルが身近なファンやアイドルにアンケートを取り、そして、その結果と比較的アクセスがしやすい統計データとを比較して、それっぽいことを語るだけなのではという形で斜に構えながら読んでいたというのが正直なところ。しかし、読み進めるにつれ、著者のガチな思いや文章表現にすっかり引き込まれてしまっていた。
著者の出演する対バンライブを見に行くファンや対バン相手の地下アイドルが地下アイドル全体を現すものではないということ、アンケート結果の分母も必ずしも十分ではないといということに留意は必要であるが、16歳から8年間にわたり長く地下アイドル現場の当事者として、業界の栄枯盛衰を見てきて、また業界の先輩として多くのアイドルやファンと交流してきた彼女の本気の言葉、本気の分析が詰まっていて十分な読み応えがあった。
地下アイドルを特集するテレビ番組や、ぺろりん先生の本のようにある程度きらびやかな地下アイドルの世界を描く書籍も巷に表れているが、よりディープな地下の世界を当事者の言葉で綴った作品は他にないのではないかと思う。
私もなかなか日の目を見ない地下アイドルの応援を続けているが、ここまでリアルな言葉で地下アイドルを語ってくれた著者と、新書として出版してくれた朝日新聞出版に賛辞をおくりたい。
地下アイドルの実態にスポットライトを当てることで、それを知らない人々に親しみを持ってもらうことが著者の願いだが、地下アイドルがファンや運営との関係を見つめなおす、ファンがアイドルとの関係を見つめなおすうえでもいいきっかけになると思う。

満足度☆☆☆☆☆

  1. 2017/09/18(月) 11:13:08|
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『起業家』藤田晋



サイバーエージェントの社長の起業からAmeba 成功までの回顧録。
サラリーマンやっていて仕事もそれなりに充実していて、待遇にも満足していると、起業をしようという感情はなかなか湧かない。かといって組織の論理と自分の価値観がバッティングしたりすることはあるわけで、そういう時に組織の外で自由にサービスを提供したほうが社会により価値を提供できるのはないかと思うことはある。そういう時にふと手に取った本。
華やかやでイケイケの社長かと思っていたけれど、買収戦略や新規投資への目線が手堅いのが非常に意外で、だからこそライブドア、インデックス、GMOと多くの起業がバブルの代償で苦しんだなかで生き延びてきたのだと思う。(人生一度きりしかないわけで、時勢を見て天下を取るために勝負をかける彼らのギャンブルが間違いだとは決して思わないけれど。)メディアで取り上げられる「キラキラ女子」や20代の子会社社長など、華やかなイメージが強かったが新卒重視の人事方針など非常に手堅い会社なのですね。
起業家の苦労や孤独は伝わってきたけれど、起業して何か価値を提供したいというよりは、起業家として成功を収めることが自己目的化している印象。もちろん、藤田氏のような成功した起業家が現れることで、彼に続く起業家が現れてほしいという高邁な意思はあるのだと思うけれど。惜しむらくは、起業前の苦労や一定程度の規模になる前の苦労を描いてくれたほうが、後に続く若者の参考になったと思うけれど。まぁ、下世話な読者が気になるのはライブドア事件の裏話だったりするので致し方ないですね。
代理店事業から、メディア事業(アメーバ)への転換プロセスが後半の中心。今となっては、芸能人のブログといえばアメーバでかなりのPVを毎日稼いでいる。ブログという文化がそもそも日本に根付いてなかった時代、役員も社員も株主もブログの将来性をそして誰もその投資に理解を示さなかったなかで、自分を信じて莫大な投資を継続する覚悟というのはたいしたものだと思う。トップダウンで意思決定し、失敗したら去る、投資の結果として創業社長として得た株式価値を失ってもいいという覚悟があったからこそアメーバは生まれたのだと思う。
おそらく今のAbemaTV事業も、かつてのアメーバと同じ状況。いくつかのコンテンツは莫大な視聴者を稼ぐが、サーバーが落ちるなど、まだまだシステムインフラも不安定。多くのコンテンツはお世辞にも、TVなどの既存にメディアに勝てる質とは思えない。テレビ局の社員は相変わらず高給取りで、ネットに押され気味であるとはいえ、TVに勝つことができれば莫大な金塊を掘り起こすことができると思う。アメーバ事業と同じく、藤田氏とサイバー社が投資を我慢して継続できるのか注視してきたい。

満足度☆☆☆★★

  1. 2017/06/10(土) 22:05:32|
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『しんがり 山一證券最後の12人』 清武英利

1997年に自主廃業を発表した山一證券。多くの社員が、沈みいく船を見捨て新たな職を探す中、会社に踏みとどまって経営破綻の理由を追及し、また法人の清算業務に就いた社員がいた。真相究明と清算業務を続け、最後まで会社にとどまって企業の最後を見届けた「しんがり」社員の姿を実話に基づいて描いた経済小説。
著者の清武英利といえば、巨人軍代表として渡辺恒夫氏とトラブルを起こして追放されたイメージが強いが、この本を読んで記者としても超一流なのだなと感心した。
記者らしく緻密な取材を重ね、また、山一破綻劇の決して中心ではない脇役たちに焦点を当てて、破綻の裏には何があったのかを描こうとする視点はすばらしいと思う。
「簿外債務」「含み損」「飛ばし」。本来、会計は企業の静的な財産の実態をありのままに表現し、多くのステークホルダーにわかりやすくするもの。しかし、会計によって評価をされる経営者にとっては、「飛ばし」などの複雑な技法を採用することで、決算を実態とは異なる見栄えの良いものにする誘惑が働いてしまう。経営が上向けば、いずれは「飛ばし」を解消できると思っても、現実はそうはならず、組織に突然死をもたらす時限爆弾へと変化していく。
東芝の減損の問題にもあるように、会計で無理を通せば、その悪影響はいずれ出てくるもの。「山一證券」という教訓を生かして、わかりやすく不正のない会計基準と運用制度を作っていかなければならないなと感じた
  1. 2017/03/05(日) 21:13:00|
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『懲戒解雇』高杉良

三菱油化がモデルとなる経済小説。
主人公は財閥系繊維メーカーの課長として、経営企画のエースと目されているが、ある役員と対立してしまう。更に自分の仲人であり理解者でもある役員が子会社への転出となり、対立する役員は専務へと昇格する。一方で、主人公や海外子会社を利用した不正を突き止め、その不正を建白書という形で告発する。
会社はそのもみ消しを図り、主人公の過去のルール違反を汲まなく調べ上げ、それを理由に主人公に懲戒解雇を突きつける。主人公は、自分の名誉を守るため、会社を訴えて対抗する。

日本の雇用慣行における「三種の神器」は終身雇用、年功序列型賃金制、新卒一括採用といわれる。高度経済成長期においてはそれらが上手く機能し、社員は会社が定年まで面倒を見てくれると信じてがむしゃらに働けば良かった。そうした中で、社員にとって「懲戒解雇」はサラリーマン人生の死刑宣告にも等しく、社員が会社に歯向かって訴える、不正を告発するなどあり得ないことであった。
主人公のことを思う同期や上司も、経営者の意を汲んでのことではあるが、主人公に穏便に懲戒解雇を受け入れるように進言するが、主人公は自分の正義と名誉を守る戦いにうってでる。

現代は経理のチェックや経費の承認プロセスは厳しく、会社のお金で呑むなんて接待くらいに限られるが、昔は小説内で書かれているように社内の私的な呑み会を交際費として扱うようなことは許されていたのだろう。
密にはルール違反や不正であっても、時代によって組織として何が許されるのか、何が社会の非難を浴びるのかは個々の事情によって変わってしまう。一般社会においても許されないことも、ある会社によっては社内政治や経営層の圧力によって善とされてしまうこともあるだろう。
そうした見過ごされた不正に遭遇した時に主人公と同じように、組織に歯向かう勇気は自分にあるのかを考えさせられた。
終身雇用も年功序列も崩壊し、会社は守ってくれない現代においては、会社の明らかな不正に手を貸すほうが人生のリスクになってしまうのかもしれないが。


  1. 2017/03/05(日) 19:55:33|
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『どんなにがかたい人でもベターッと開脚できるようになるすごい方法』Eiko

「開脚もできないやつが、何かを成せると思うな。」

開脚の女王と呼ばれてYoutubeで300万動画再生を達成したヨガインストラクターの著書。
私は従来体が硬いのと、大学野球部時代以来腰痛に苦しんできたので体が柔らかくなればいいなと購入。
4週間でできるようになるそうなので、倍の8週間かかったとしても今年の忘年会の余興でやるには間に合うかと期待してます。

まだ初めて1週間も経過してないですが、オフィスで四股トレーニングをするとその後体が軽くなって席に座る姿勢がよくなってきた気がします。

著者によると開脚には以下の6つの効果があるとのこと。
1)アンチエイジング、ダイエット効果
2)けがの予防
3)脚のむくみ改善、脚の引き締め
4)全身のバランスが整い、お腹が引き締まる
5)股関節が正常の位置に戻り、いためにくくなる
6)O脚やX脚の改善にも効果あり

本の構成は、①開脚の成功事例、②開脚プログラム、③開脚を題材とした小説の3部構成。まさかの③がページの大半です。
①②はYoutubeでの動画からの付加価値はない印象。せっかく有料のコンテンツとして出すのであれば、何か付加価値があればよいうのに。
開脚の本ということで、製本面での工夫は面白いとは思いましたが(苦笑)

満足度
☆★★★★

  1. 2016/10/23(日) 08:40:55|
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『空気のつくり方』池田純

DeNAの球団社長が30億円の赤字球団を建て直す過程でのマーケティング戦略を振り返った一冊。DeNAはついに今年Aクラス入りを果たすわけですが、元はBクラスが当たり前の弱小球団。それなのになぜ、球場は満席なのかその秘密が書かれている。著者は商社・広告会社・DeNAという輝かしいキャリアだが、文章は平易で上から目線感も無く熱血ベテラン監督と話しているような感覚でスラスラ読める。
マーケティングの方法論自体に真新しさはないが、現場目線、ファン目線で空気を感じ取り、自ら手本となる事例を見て回る池田社長のDeNAの成功(まだ途上だが)をもたらしたのだろう。
勝ち負けという経営側では如何ともしがたい要素に注力するのではなく、自分のコントロールできる領域については徹底的に拘り、アメリカの成功事例をお手本としながら、ロジカルに考え抜く姿勢には感銘を受けた。
野球の勝敗を決する要素として占めるのは選手の実力が大きいのかもしれないが、スポーツにおいては会場全体の空気が勝敗に与える影響は決して少なくないと思う。アメリカのボールパークというコンセプトで球場の空気を一変させ、チームに勢いを与えて成功した事例がDeNAであり、広島であり、ソフトバンクなのだと思う。
価値のない財やサービスを売るのはともすれば詐欺になってしまうが、価値のある商品が売れないとすれば、それは売り方の問題。特にモノ以外のサービス業に従事する方に読んで欲しい一冊。

地下アイドルを見ていると、アイドルのパフォーマンスは秀でているのに運営が何も考えてないと売れないという例は良く見る。デジタルとアナログを駆使して、サービスをどうオタクに売り込むか。PDCAを回すという基本的なことすらできていない運営や、単にスケジュール調整などの事務に終始している運営(ひどい場合はスケジュール調整すらできない運営)が多すぎる気はする。ライブの入れ方にしても、日々のSNSでの活動にしても、その意図や戦略が見えればそれに気づくファンは支えるし、変われなければ顧客にラッキーで選ばれるしかない状況が続き、日の当たらないまま終わっていくのだと思う。

【エッセンス】
・コントロールできるものに徹底的にこだわる。 
・予知能力と察知能力を磨く。
・SNSを活用する。
・感性・直感・ひらめき・創造力の前提としてのデータ分析。
・経営を安定させ、その後チームに投資し、経営とチームの好循環を生む。
・徹底した組織分析/市場分析/顧客分析
・戦略ターゲットを定めて、彼らが実は求めている商品を創造
・ストーリーを創造する(商品と顧客、自社と顧客がつながるコミュニケーション )
・ストーリーが伝わる広告・PR
・コンテクストを読む。


  1. 2016/10/19(水) 06:52:16|
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『「東大」「ハーバード」流・16倍速仕事術 「掛け算」で成果を伸ばす 』本山勝寛


【感想】
東大・ハーバード大学院を卒業しNPOの広報担当として莫大な業務量をこなす筆者が、成果を最大限出すための方法論を述べた作品。
何か一つの取組によって16倍の成果を出すことはできないが、成果に結びつく要素に分解してそれぞれを少しずつ伸ばすことで成果16倍を達成しようとする。

具体的には、勉強成果=地頭×戦略×時間×効率と4要素に分解し、それぞれの要素を更に分解していく。
・地頭=「読む力」+「書く力」+「計算する力」
・戦略=「目標の立て方」+「情報力」+「プランニング」+「チームワーク」+「人脈術」
・時間=「スキマ時間の活用」+「優先順位とメリハリ」+「時閣の捉え方」
・効率=「段取り力」+「IT力」十「目的志向力」+「集中力」

それぞれを伸ばす方法論について真新しさはないが、どれも大きなコストをかけずに実現可能なものばかりで非常に実践的な内容に感じた。

満足度
☆☆☆☆★


  1. 2016/10/17(月) 09:45:40|
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『タックスヘイブン』橘玲

【あらすじ:Amazonより】
シンガポールでもっとも成功した日本人金融コンサルタント北川がホテルから墜落死した。死んだ北川の妻・紫帆は現地に、高校の同級生・牧島とシンガポールへ赴く。紫帆はそこで北川の現地妻と息子の存在を知る。北川は1,000億円を扱うファンドマネージャーだったが、政治家や会社社長など、数々の顧客のプライベートバンクの口座に10億円、50億円規模で穴を開けていた。背後に見え隠れする、日本の首領が仕組んだブラジルへの原子力発電施設輸出計画とそれを見込んだファンドとその失敗。紫帆と大物政治家の過去。大物フィクサーの影と蠢く謎の仕手グループ。そして起こった大物政治家秘書の暗殺。北川の死は自殺か、それとも殺人か? 口座から消えた巨額の資金は、どこへ送られたのか!?

シンガポールを舞台とした金融ミステリー。タイトルのタックスヘイブンはパナマ文書でも話題となりましたが、日本語に訳すと税金のかからない楽園すなわち「租税回避地」。舞台となるシンガポールのような国々は、外貨獲得の為に意図的に税金を優遇する制度を整え、企業や富裕層の資産を誘致している。
せっかく稼いだお金を税金で取られるのはばかばかしいと考えるのは悲しい人の性。お金持ちは節税スキーム自体に価値を見出し、そのスキームをアレンジするコンサルタントが跋扈し一つのビジネスとして成立している。
小説を読みながら、国際的な外貨決済の仕組み、祖関回避の手法など話のネタとして知っておいて損はない知識もちりばめられていて、金融機関で働く身として参考になった。(実務で使えるレベルではないが、あくまで自分の専門外の領域の参考として。)

各登場人物のアクの強いキャラクターと闇、シンガポールのリアルな背景描写が相まって、飽きることなく一気に読み終えてしまった。当初はプライベートバンキングを舞台にした金融ミステリーかと思ったが、読み進めるにつれ拝啓には国家レベルの大きな闇が隠されているという展開に興奮を覚え、作者の逞しい想像力に感嘆せざるを得なかった。

満足度
☆☆☆★★



  1. 2016/10/16(日) 09:44:22|
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『サラブレッドと暮らしています。』田村正一


園田競馬場に勤務する厩務員が、ホースマンの日常をコミカルに描いた作品。

この本を読んで再認識したのは、競馬って馬という動物が走っているのだなという当たり前といえば当たり前のこと。
指数や調教タイム、持ち時計等のデジタルな予想ばかりしていると、そこを見失いがち。
動物なので怪我や病気になることもあるし、性格ややる気が原因でレースに勝てないこともある。
競馬は馬を狭いゲートに閉じ込め、鞭で叩き故障のリスクを負わせてまで走らせるある種残酷なスポーツ。多くの牡馬は自分の遺伝子を残す事は許されずにその生涯を終えていく。
だからといって、馬はヒトに寄り添わなければ生きていけないし、生まれて来ない方が幸せだから繁殖しないというのも違うとは思う。

人間と寄り添って生きてきた長い歴史を持つ馬が生きていくには、競馬は必要なのだろうし、競馬という事業を成り立たせるためにも馬券を買って楽しむことが重要なのだろうと感じた作品でした。

満足度
☆☆☆☆★



  1. 2016/10/15(土) 09:43:42|
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『赤めだか』立川談春

【感想】
立川流四天王の一人で、チケットの最も取れない落語家の一人と言われる談春のエッセイ。高校を中退後、立川談志に入門してから、真打昇進に至るまでの苦難と葛藤を描く。
軸にあるのは師匠である天才男子の教えや言葉たち。落語の世界では異端とされる立川流で、なぜこれほどまで多くの実力のある落語家が育ったのか。談志の画期的な育成手法と、その天才に魅了され、天才を理解する為にもがく談春や志の輔たちの姿が描かれている。
この本が落語家の本として圧倒的なベストセラーになったのは、何をおいてもその読みやすさ。語感であったり、比喩であったりが心地よく、きっとこの本を音読したら楽しいのだろうなという小気味よさを感じさせる。勿論、師匠である談志無しにはこの本は成立しないのだが。
私は立川流では圧倒的に志らく贔屓なので、志らくの描かれ方には納得はいかないが。

満足度
☆☆☆★★


  1. 2016/10/12(水) 09:39:43|
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『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』岩崎夏海

【感想】
アイドルに「おすすめの本は?」と進められたら真っ先に挙げる本がこの本。経営学の巨人であるドラッガーについて、高校野球の女子マネージャーがチームを改革していく物語に即して説明していく。
顧客とは何か、自分達は誰に対して何を提供しているのか、チームとして各メンバーにどう役割を与えるか、強み弱みをどう発見するか、コミュニティを巻き込むにはどうするか。もちろん原著は経営学の本であるので、ビジネスパーソンが自分の周囲に当て嵌めて読む上でも十分にエッセンスが詰まっているが、よりこの本のノウハウを当て嵌めて効果を発揮すると思うのが部活動の世界や地下アイドルの世界だと思う。誰か、「地下アイドルのマネージャーがドラッガーのマネジメントとプロフェッショナルの条件を読んだら?」を書いてくれませんかね。
野球をやっていた身からすると、これくらいの工夫で甲子園に行かれたらたまったものではないというのが正直なところですが(甲子園を目指す連中の努力と量は少々の工夫で太刀打ちできるものではないので)、興味深い野球理論や若者たちの葛藤も描かれていて泣ける要素もあり、野球経験者でも読んでいて飽きないと思います。

満足度
☆☆☆☆☆

  1. 2016/10/11(火) 09:36:36|
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『武道館』朝井リヨウ

あらすじ(公式HPより)
アイドルになりたかった。ただそれだけだったのに。
武道館でのライブを目指し活動するアイドルグループ「NEXT YOU」。独自のスタイルで行う握手会や難易度の高いライブパフォーマンスで一歩ずつ目標に近づいていく彼女たちだったが、メンバーの一人である愛子は、人気と知名度があがるにつれ、自分たちに集まる種類が変質していくのを感じるーー。
ただ、歌とダンスが好きなだけだった。大勢の観客の前で、アイドルとして輝きたかっただけだった。その気持ちは何も変わっていないはずなのに、求められることはどんどん増えていく。運営側からの期待、ファンから感じる情熱と重圧、ネット上での心無い誹謗中傷・・・・さまざまな思惑に取り囲まれながら、愛子、そして、NEXT YOUが進んでいく未来とは?
アイドルとして生きながらも、人間であることをやめられない少女たちの輝きと苦悩を綴った、衝撃の物語。

【感想】
直木賞作家だけあって、直接的に書かなくても読者に情景を思い浮かばせる書き方がすごい。
平易な文章で読みやすいし、現実世界でニュースになったアイドルの事件をモチーフにしているので、アイドルに関する前提知識がなくても、大体あの事件ねとイメージが浮かぶ。
アイドルや運営がどんなことを考えているのか、おそらく作者の関係者へ取材に基づくそれらの考えは、オタクという目線からは嬉しいものもあるし、知って複雑なものでもある。
アイドルを取り巻く独自なルールや商習慣を批判するのは、いつもそれを経験したことない人たちという主人公のものの見方は、共感できるものであったが、読み進めるに連れてオタクとして苦しく辛いものはあった。
アイドルは大勢のファンを相手に夢や疑似恋愛を与えることで、成り立つビジネスモデル。一方で、年ごろの少女に恋愛を禁止するというのは難しいものがある。アイドルというものの特性と、個人の欲望をどう両立させて、思春期の自分の成したいことを選択して実現していくか、アイドルには是非読んでほしい。

満足度
☆☆★★★
(小説としては面白いけれど、オタクが読むには辛すぎる内容。)


  1. 2016/10/08(土) 09:11:28|
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『半笑いの馬券定理 競馬で勝つための本質 』半笑い

競馬予想家として好きなのは、調教予想の井内利彰と本著者の半笑い。
競馬は単勝・複勝は期待値8割、それ以外の馬券は期待値7割5分のゲーム。なので、宝くじ同様参加すること自体が馬鹿らしいと経済学者は言います。
子供の頃から競馬と接して来たので競馬に対する贔屓は多分にあると思うけれど、私はそうは思わない。
知人の競馬新聞記者から良く言われたのは「競馬は参加料で25%を払い、残りの75%を参加者で奪いあうゲーム」。
宝くじとの最大の違いは、馬券売り場には当たり馬券が売っていないということはないが、多くのプレーヤーが予想した結果として外れる馬券を購入していること。(宝くじはそもそも宝くじ売り場に当たりくじがない可能性が高い。)
そして自分とは独立して当選確率が決まる宝くじに対し、競馬の配当は参加するプレーヤーによって決まるということ。
つまり、オッズ表に表示されるオッズと、本来の各馬の強さを反映した真のオッズの隙間をつくことができれば、期待値8割のゲームでも期待値10割を超えることは可能なのではないかと思う。

本書は2011年より登場したWIN5とそれにまつわる数字を通じて、どうすれば馬券力を高めることができるかを読者に考えさせる。
本書に取り扱う最新のデータを自分で抑え、計算しその数字の意味を考える作業は非常に面倒ではあるし、相応に頭を使う作業ではある。
恐らくその重要性を理解することはできても、実行に移すことはできないプレーヤーが大半。
だからこそ、そのような汗をかかないプレーヤーをカモにできる予想家がこの世に存在できるのであろう。

この本の抱えるジレンマは全てのプレーヤーがこの本の通りに投票すると、本が依拠するデータが無意味なものになってしまうということ。
ギャンブル好きは、基本的には怠惰な生き物なのでそんなことは起こりえないが。

※ちなみに、私はWIN5登場以来一定金額を買い続けているが、一度も当たったことはない。そろそろ、WIN5で負け続けた金額で新車が買えるレベル(泣)


  1. 2016/06/20(月) 10:39:09|
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『あれか、これか-「本当の値打ち」を見抜くファイナンス理論入門 』野口真人

宝くじや公営ギャンブルのように、人は期待値が1以下のゲームに参加する愚行を犯す。
普段は冷静な判断が出来る人でさえ、お金が絡むと人は冷静な判断ができなくなる。
本書はファイナンス理論を身に着けることで、自分達の周りのものの「本当の値打ち」を見極めようとする。

著者の会社の方に以前名刺交換させて頂いたことがあったのですが、気前のいいことに全員にプレゼントで頂きました。
独立系のバリュエーション(企業価値評価)ではNo1の会社なので、そこの出すレポートや専門書は拝読したことあったのですが、当然それらを読むのはそれを専門的に業務としている方々に限定されています。仕事を取ってくるには、それが専門ではない方々にいかにアピールするかが重要ですし、金融コンサルサービスは特に差別化が難しいので、本書の様に専門領域を日常世界に当て嵌めてわかりやすく解説したビジネス書というのは本業でのマーケティングという意味で非常に有効なのでしょう。

【エッセンス】
今日の自分は過去の判断の結果。悔いのない人生を送るには、ものの本当の価値を見抜くことが必要。
そのツールとしてファイナンス理論が有効。

現金は最も価値の低い資産の一つ。現金よりも稼ぐ力のある資産を持つべき。
価値≠価格。値段にだまされない人が全てを手に入れる。
過去の費用やみんなの意見からは本当の価値はわからない。

会計は無形資産の価値(ヒト・ブランド)を見逃す。ファイナンスは目に見えないものを価値の源泉と考える。
収益性の源泉はヒト>モノ>カネの順。
価値=将来にわたって生み出すキャッシュフローの総和

信用創造:お金を銀行に預けることで預けた金額の約10倍が社会に流通する効果をもたらす。

ある程度の金利の存在する世界では、CFの継続期間が長くなってもその現在価値はあまり増えない。
金利の世界ではCFの継続期間よりもCFの絶対水準が重要。
金利はいかなる場合も投資家が決めるもの。⇒リターンが低ければ社債価格が下がる。

人生の選択はアップサイドリスクをどれだけ味方につけられるかにかかってくる。
リターンはリスクの見返りであり、リスクは不確実性である。本当の価値を見抜くにはいかにリスクを正確に把握するかが重要。

投資家の行動パターンは「美人投票」⇒「自分が誰を美人と思うか」よりも「みんなが誰を美人と思うか」の“予想”が重要
ランダムウォーク:過去のチャートの動きから将来の株価予測はできない

平均と個々の値の差=偏差
偏差の2乗の平均値=分散
分散の平方根=標準偏差
偏差値の計算方法 ①偏差×10⇒②①の数字を標準偏差で割る⇒②の数字に50を足す
正規分布の場合、平均値から±1σに68.27%が、平均値から±2σに95.45%、平均値から±3σに99.73%が含まれる。
ファイナンス理論では標準偏差と期間の長さをもとに投資リスクを合理的に計算する。

人生の時間は有限⇒ 価値は時間の観点の中で評価しなければならない。 ex生命保険・定期預金・マイホーム

MM理論:資産購入のための資金調達方法は、その資産の額とは無関係である。企業や資産の価値を決めるのは将来のCFと割引率の2つだけ。
ポートフォリオ理論:投資家は分散投資により投資のリスクだけを下げて、確実に期待収益を上げることができる(分散効果)。負の相関のある資産に分散することでリスクの軽減効果を高めることができる(相関効果)。

リスク・リターンが最も優れたポートフォリオ:マーケットポートフォリオ
(株式市場の場合、市場に存在する株式銘柄を時価総額比率按分で組み込んだポートフォリオ)⇒米S&P、日TOPIX
個別株式のリターンは、その株式自体のリスクからではなく、マーケットポートフォリオに与える影響から評価すべき

プロスペクト理論:リスク回避度合はその人間のおかれた状況によって変化する⇒行動ファイナンス

ブラックショールズ式のエッセンス:①原資産のリスクが高くなるほどオプションの価値は高くなる、②オプションの価値は原資産の価値以上になることはない。
オプションの変数:1)原資産、2)スポット価格、3)行使価格、4)オプションの期間


  1. 2016/06/19(日) 10:36:10|
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『欲望産業・下 小説・巨大消費者金融』高杉良

【あらすじ】
大手都市銀行元役員から消費者金融の最大手・富福に迎えられた大宮紘平は、資金調達や、銀行の系列化阻止に辣腕を振るい、社長に昇格する。が、絶対君主として君臨するオーナー会長・里村栄一に阻まれ、経営の多角化もままならない。一方、過剰融資や貸し倒れの増大など、社内外には問題が山積み――。消費者金融の暗部を抉り出し、その後の凋落を予言した傑作経済小説。

主人公も大宮も銀行出身のエリート、そして他の取締役にはノンキャリアながら大蔵省や財務省の役員も名を連ねながら、創業社長の強力かつ歪んだパーソナリティの下では組織として十分なガバナンスを発揮することはできない。一方で、無理な貸出拡張路線は、貸し倒れの増加や違法貸付として組織の土台を蝕んでいく。
これは何も、消費者金融に限った問題ではない。どんな業種であれ、成長していく過程でいかに安定的な組織を構築するかがカギとなり、それができなければ反動として大きなしっぺ返しを食らってしまう。

最近はトップアイドルがCMに出演するなど隔世の感がある。昨今の低金利下では消費者金融のようなノンバンクの方が銀行融資よりもビジネスとしての伸びしろも工夫・改善の余地もまだまだある業種という印象。
もしより洗練されたビジネスモデルを構築して、日本社会のなかでの消費者金融の存在意義を確固たるものにできれば、かつては軽蔑の目で見られてきたノンバンクビジネスが金融のメインストリームとなる可能性は十分にありうると思う。


  1. 2016/06/08(水) 11:11:16|
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『欲望産業・上 小説・巨大消費者金融』高杉良

【あらすじ】
大手都銀の帝都銀行・元常務の大宮紘平は、行内抗争に敗れ、系列の帝都クレジット社長の座も追われようとしていた。かつて頭取候補と目され、カード業界で大宮旋風と言われる拡大路線を展開したその経歴と手腕に目をつけたのは、消費者金融最大手・富福のオーナー社長、里村栄一だった。が、大宮を待ち受けていたのは、富福の驚くべき企業体質だった。消費者金融の絶頂期を克明に描き、その後の凋落を予言した傑作経済小説。

フィクション小説という体裁を取っているが、2010年に破綻した消費者金融業のT社をテーマにした小説。
当時の消費者金融最大手企業の問題点を主人公大宮の合理的・冷静な視点から捉えていく。

昔ご縁があって、東大を出てT社に就職した方とお話しする機会があったけれど、頭の回転は速いし、礼儀やマナーは素晴らしいし、胆力もあり無敵だなと脱帽した記憶がある。確かに今の社会にはそぐわないような非人間的な働き方を社員に強いていた面はあるのだろうけれど、そこで生き残ってきた人たちのパワーは目を見張るものがあった。

本小説で描かれている消費者金融は40~90%という高利の時代の話であり、取り立てに関する制度も不十分で乱暴なやり方がまかり通っており、現在のコンシューマファイナンスと比較すると隔世の感はある。
個人を対象としたファイナンスというものはどの国にもあるし、必要不可欠なビジネスだと思う。実際、本小説の時代でも、利用者や従業員だけでなく多くのステークホルダーが様々な形で恩恵は被っていた。
社会に必要なビジネスに携わりながらも、自分達の企業とビジネスの存在意義を社会のなかで定義しようといった高邁な精神を持つ社員が育たない業界の風土、生活困窮者に金を貸し利益を出す「サラ金」への偏見、そして個人商店としてのガバナンスの欠如が、リーディングカンパニーの崩壊と消費者金融業界の成長を招いてしまったのだと思う。


  1. 2016/06/07(火) 11:08:59|
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『究極の体調管理 人生を変えるハイパフォーマンス計画』鈴木 登士彦

「自然手技療法」の創始者が、数多くの超一流のクライアントに施術するなかで編み出した「超健康」になる方法をまとめた一冊。「自然手技」や「超健康」など胡散臭い用語が満載ですが、所謂一般的に確かであろう健康法のエッセンスと具体的なやり方を平易な文章で書いていて至ってまとも。数冊の健康法の内容が一冊で網羅されており、かなりお得な内容であった。
若いうちは、少々無理が聞くので健康には気を遣ってこなかったが、30歳も目前となると、オフの過ごし方や仕事中のスキマ時間の何気ない過ごし方がパフォーマンスとアウトプットを決めるかを実感する日々。みんながまとまってランチを取る習慣もコミュニケーション上ではあるが、偶には一人で「真剣に」休んで体を回復させるという取組も重要なのだと思う。
それにしてもシステマって本当にあったんですねw

【エッセンス】
 1時間早起きして身体を動かす習慣を身に着ける。
 超健康になるためのキーワードは「運動」「食事」「呼吸」「休息」

【運動】
 背中とお尻の状態と、体力、回復力、行動力、内臓への負担、精神力はほぼ例外なく同調する。
 綺麗に「立つ」「歩く」姿勢を維持する。
 一流の人はゆるみ、二流の人はだれる。⇒脱力メソッド
 自信がない時こそ胸を張って自信を作る。
 思いついたことは「テキパキ」と体を動かして行う。一歩でも多く歩く。

【食事】
 血糖値を急激に上げる甘いものは避け、肉・魚・ビタミンの多い野菜などを食べる
 体温を下げないように常温以下の食べ物は口にしないようにする。
 蛋白質の取り方を意識する。動物性蛋白質と植物性蛋白質のバランスを意識。不足した場合はプロテインを摂取。イワシであれば、良質な脂肪と蛋白質を同時に摂取できる。
 栄養はおかずにある。いかに糖質の摂取を抑えられるかが食事制限のポイント。
 夕食は就寝の3時間前までに取る。 ⇒ 難しければ、白湯やホットミルクで軽めに済ませる。
 間食はやめて、良く噛む習慣を身に着ける。間食は取るとしても甘いものではなく、ナッツかゆで卵。
 水は新鮮な水を一日2リットルは摂取する。
 週末にはプチ断食すると、排泄力が高まり睡眠の質も向上する。⇒ 断食の前後の食事を軽いものにすることが肝要。

【呼吸』
 「意識的にゆっくりと、深く、息を吸って、吐く」⇒ 呼吸は精神面だけでなく肉体面にも影響
 ブリ―ジング呼吸法:鼻から吸って口をすぼめて吐く。
 ペンタゴン式呼吸法:1分間に8~10回の呼吸を保ち4カウントで吸い、8カウントで吐。く
 呼気は相手を否定し、吸気は相手を受け入れる。

【休息】
 寝る前のルーティン「水分補給」「身体に接点をもつ寝具をまめに交換」「ゆっくりした呼吸とともにゆるめてストレッチ」
 アクティブレスト(動的休息)⇒こまめに無駄に動く
 疲れてから体力を回復するのではなく、疲れない体を作る。
 瞑想を習慣化する。目をつむり、鼻の後ろを見つめるイメージで鼻から吸い、鼻から吐く。
 深い呼吸に意識を向ける。足裏から息を吸って、息を体中にめぐらせ吐く息とともに体が柔らかくなるイメージ。
 1日のはじめに瞑想すると、より効率よく一日を過ごすことができる。
 安眠のためのルール。①ベッドとベッドルームは清潔に ②倒れるまで仕事をする ③眠れない時は眠りが必要ない時と考え、読書や瞑想など自己成長の時間に ④首の緊張を取って眠りの質を上げる ⑤脱力する ⑥ダイレクトスリープ呼吸法(大きく息を吸って、5~6カウント息を保ち、さらに漏れるような息を7~8カウント)を繰り返す。
 スキマ休憩の重要性を認識する。 ①体を動かす(スクワット、ジャンプ) ②栄養補給(水、ナッツ、ゆでたまご) ③15分仮眠or5分瞑想 ⇒ どれだけ真剣に休めるか。全力で休む。
 アイケア ①おしぼりなどで目を温める ②目を閉じる。
 ため息やあくびを積極的に取り入れる。


  1. 2016/06/04(土) 11:00:51|
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『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』デイヴ・アスプリー

シリコンバレーの有名ハッカーが、自分の身体を実験台に30万ドルと15年のコストを費やして編み出した食事法。

要約すると
① 野菜たくさん(いくらでもOK)
② タンパク質と脂質たくさん(良質な脂質ならOK)
③ 糖質は少な目、摂取する時間も制限

いわゆるローカーボンダイエットとあまり内容は大差ない内容。理系のIT長者が著者らしく、カビの話や町内最近の話など理系知識が満載で正直読み飛ばしました。菌の知識に明るい方は、そこを理解した上でダイエットを実行に移せば、強いモチベ―ションになるのかもしれません。

最強の食事レシピを再現しようと思いましたが、あまりにもコストがかかるので断念。
素材には大変お金がかかるので、かなり食事に投資できる人間でないと実行は難しい。下手をすればLIZAPに通うよりもコストはかかるのでは。

唯一実行に移して継続しているのが「完全無欠コーヒー(バターコーヒー)」。良質なコーヒーにグラスフェッドバター(無塩)とココナッツオイルを入れて朝食代わりにするもの。
スーパーでは売ってないし割高なバターですが、これを始めてからは本当に午前中のパフォーマンスが向上したのは実感。時間のない朝にさくっと用意ができるのと、8時に飲んで14時頃まで脳が冴えるのは独身のサラリーマンとしては非常にありがたい。

毎日0.5kg痩せるかはダイエット開始当初の体重次第ということでしょうか。(100kgの巨漢が断食すればそれくらいは痩せるでしょうが)

最近ローカーボン系の本に嵌まっていますが、最終的に重要なのは無理をしないことと自分の生活習慣に合わせること。本に書いてあるメニューがどんな人間を対象にしているかを考慮しないとひどい目に遭います。週2でジムに通い、時々草野球をする人間にこの手の本のメニューは圧倒的にタンパク質が不足。ローカーボンを導入した当初は筋肉痛が1週間抜けないので、重篤な病気かと勘違いしていました。
満腹感の伴わない無理な食事制限も、結局リバウンドするので、タンパク質と野菜を多めに摂取して満腹感は維持しつ、味付けや料理の手間を工夫して習慣として日々の生活を回していくのが肝要ですね。


  1. 2016/05/23(月) 11:34:52|
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『アイドルとヲタク大研究読本』ぺろりん先生

推しが欲しいとのtweetをしていたので、推し用と自分用を購入。
Amazonだとチェキ用クリアファイルが、でらなんなんではポストカードが特典でついてきました。

ぺろりん先生人気にあやかって、イラストをベースにオタクを揶揄する本かなと甘く見ていました。実際に読んでもいると、良くつくりこまれていて、各アイドルの本音や狙いが赤裸々に語られているし、最後の最後でほろりとさせるところもあり、構成として完璧でした。アイドル文化を語る本は著者や編集者の考えの押しつけに近いものが多いけれど、この本はアイドルとオタクの関係性を少し引いた視点から捉えている。

勿論ぺろりん先生のイラストやオタク解説も充実しており、ブラックなネタもふんだんで読み始めると止まらなかったです

地下からスタートして、今は第一線で活動するアイドルのインタビューを見ていると、SNSの使い方やライブでのレスなどファンとの接点について自分なりの狙いや意識を持っているアイドルが強い。一部のアイドルを除いて、どのアイドルもその境地にたどりつくために相応に経験と芸歴を積み重ねているし、その為には運営もファンも5年くらいのスパンで大きな目標を目指していくようなサステイナブルな体制をつくる必要性はあるのだろうなと感じました。


日本には5,000人以上のアイドルがいるらしいですが、多くのアイドルがこの本を読むことで、各人が重く受け止めるところは異なるにせよ、オタクとアイドルの関係性はより良いものになっていくし、日本アイドル産業が文化としてより洗練されたものになるじゃないかと思います。推しには是非すぐ読んでほしい。


  1. 2016/05/22(日) 09:28:53|
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『我が闘争』堀江 貴文

しくじり先生の第一回放送を見て面白かったので購入。
「テレビでは放送できないことを書いています」という触れ込みを信じて購入したにしては、少し拍子抜け。
もう少しダークな内容も記載されているかと期待していましたが(それを書いて誰も得はしないので、書かないことが著者にとっての合理性かもしれませんが。)
堀江貴文氏が人生を通じて一体何と戦ってきたのか、堀江氏の幼少期からの振り返りが非常に興味深かった。
自伝なので脚色もあるかもしれないが、一時的とはいえ成功する方というのはモノの見方が違うのだなと思いました。
世間一般からすると近鉄買収騒動で急に脚光を浴びたIT成金のイメージが強いかもしれないが、就職せず起業するというのは並々ならない努力と才能が必要なわけで。
学生時代ITの可能性を信じそれを通じた豊かな未来と社会(合理的で効率的な社会)の実現に向けて遮二無二突き進んだ一方、あまりに時代の波に乗り過ぎすることができたせいで避けられた反感を買ってしまったのだなという感想。
最終的に破綻を招いた経営者というのは動かしがたい事実ではあるが、近鉄買収・ニッポン放送買収等を仕掛けたことで、広く一般の方々が会社は誰のものか、会社の存在意義とはという問いを考える契機になった点では彼の登場はいいきっかけだったのだと思う。
恐らく真の友達にはなれないとは思うが、同じチームの仲間として彼がいてくれたら心強いのだろうなと読みながら想像していました。

満足度
☆☆☆☆☆



  1. 2015/05/22(金) 23:11:20|
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『一流の人はなぜ落語を聞くのか』立川 談四楼

ビートたけし、小泉進次郎、オードリー若林など各界の一流と言われる人には落語好きを公言している方が多い(統計は取っていないので断言はできないが)。
一流と言われる彼らがなぜ落語に魅せられているのか、本書はその理由に迫ったドキュメンタリー。。。では決してない。
落語家の書く本はなぜタイトルと中身の乖離が激しいのか。タイトルで売上が大きく左右されるので仕方がないし、そんな指摘は落語家には野暮なのでしょうが。
(ちなみに、タイトル買いで失敗したと一番後悔しているのが、柳家花緑の『落語家は何故噺を忘れないのか』)

私も大学時代から時々立川志らく師匠の独演会に度々足を運んでおり、志らく師匠のDVDは全て持っているほど。
この本を読むことで一流の人間は落語好き⇒だから落語好きな私も一流なのだと自己暗示をかけるという不純な動機で購入したけれど、そもそも購入動機が全然ロジカルではなかったですね(笑)
ところどころ、落語の技術や教訓が現実世界でも生かせるというエッセンスはあるのですが、大半は師匠である談志とのエピソード。
志らく師匠の落語が好きなのだから、談志のことが嫌いなわけがないということで、一気に読み進めてしまい思わぬ収穫本でした。言っていることは無茶苦茶な時もあるけれど、それに懸命に応えようとする弟子たちの話から学ぶことは多かったです。
『談志の弟子の落語や文章はなぜおもしろいのか』。超一流の師匠と接する機会があったとは言わずもがなですが、師匠の無茶振りに応えようとすることで落語家・作家としての閾値を高めることができたからなんだろうと思います。
教育制度や会社システムにおいては常識的であることが求められますが、偶には無茶苦茶な人がいたら組織も活性化するのだろうし、日本からもっとイノベーターが生まれてくるのではないかと感じました。


満足度
☆☆☆☆☆


  1. 2015/05/21(木) 23:09:51|
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『林原家 同族経営への警鐘』林原健

前に読んだ林原は専務の弟が、本書は社長の兄が書いた作品。
「破綻」は契約通りに金融機関への返済がなされていれば粉飾決算も許されるかのような論調で読んでいて辛かったが、「林原家」は社長が真摯にガバナンスの欠如を反省しながら、なぜ破綻に至ったのか林原家という名門企業の歴史、兄弟の歪な関係なども紐解きながら丁寧に説明している。
特に、粉飾決算がどのような内容であったのか、どの程度違法性が大きいものなのかを具体的な数値や図表を示しおり、弟の作品に比べると社長としての反省の色がかなり伺える。一方で、代表取締役という会社法上の強力な権限を与えられた立場にいながら、決算は把握していない、取締役会は一度も開催していないという杜撰さへの反省は不足している印象。
著者の主張する通り、岡山の地方企業に過ぎない林原がインターフェロンやトレハロースの画期的な発見をすることができたのは、短期的な利益を追求しないでいい同族経営であったからというのは事実。日本企業の大半はオーナー企業であり、オーナー企業そのものが否定されるものではないと思う。しかし、林原のようにある程度の規模になれば監査法人や社外取締役などオーナーにNOと言える人材を入れる必要があったのだと思う。
資本主義という舞台で株式会社という仕組みを利用して事をなそうとする以上は、経営者に求めれる権限と責任を理解した人間でなければリーダーたる資格はないと思う。

満足度
☆☆☆☆★

  1. 2015/05/20(水) 23:07:37|
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『破綻-バイオ企業・林原の真実』林原靖

岡山の名門同族企業「林原」。トレハロース、インターフェロンなどの有力な商品群を抱え、メセナ活動にも積極的で地元の誇りであった同社がなぜ会社更生法に至ったのかを経営者の視点から描いた回顧録。
メディアでは報道されない真実が提供されるであろうと期待して読んだのだが、自己正当化のメッセージばかりでかなり読むのが苦しい文章の連続。
金融機関に勤める人間が金融機関を批判する文章を読んでいるからというのもあるとは思いますが、無知や論点のすり替えが甚だしい。地元の経済を支える大企業としての論理を持ち出したかと思うと、少々の粉飾は許容されるかのような中小企業の論理を持ち込む。
金融機関や弁護士の対応などで著者に同情すべき点はあると思うが、読む人が読めば林原は遅かれ早かれドラスティックに経営体制を変える必要があったのだなと感じることになるだけであると思う。
岡山の方は人情に厚い方が多いので、もしかしたら、善の林原と悪の金融機関という構図を文字通り信じてくれる方もいるのだろう。レビュー等を見ても、全面的に金融機関を批判するような論調もあったので、汚名を返上するという効果は一定程度あったのかもしれない。
粉飾決算による貸出先との信頼関係の崩壊のなかでの金融機関の対応については、ベストエフォートではないかもしれないが許容されうる行動であったと思う。但し、同族企業に欠けているガバナンス意識を補うようなレンダーとしてのモニタリング体制を構築するなど、地元の殿様企業のブレーンとして機能することで今回の事態を予防することができたのかもしれないという自戒は必要であろう。

満足度
☆★★★★



  1. 2015/05/19(火) 23:05:34|
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『リベンジ・ホテル』江上剛

とあるホテルチェーンで、本書を新人向けの教材として利用しているという話を伺って購入。
就職難のなか何とか新卒で入社した主人公が、寂れた地方ホテルを再建するというサクセスストーリー。
あまりに主人公がトントン拍子に成功を収めていくことに若干の違和感を覚えるものの、ホテルが宿泊客や地域社会にどのような価値を提供する存在なのかという筋は通っているように感じた。また、ホテルの組織構成・収益構造についても分りやすく記述されており、ホテルチェーンで教材として利用されていることにも納得できる作品。
ホテルは取引先も多く、また地元の観光や経済の核となる存在。東京五輪やインバウンド(海外からの宿泊客)の増加により、ホテル業界を取り巻く外部環境は明るい一方、地方の名門企業がノンコアのホテルを抱えて四苦八苦しているという現状もある。特に地方銀行にとっては、地元ホテルの処理ということが今後の課題になってくるであろう。銀行員やコンサルがホテルについて手っ取り早く理解する為の教材として本書をおすすめしたい。
私も本書の参考文献にもあたることで、より効率的にホテルビジネスについての理解を深めることができた。


満足度
☆☆☆☆★



  1. 2015/05/18(月) 23:02:11|
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『ルーズヴェルト・ゲーム』池井戸 潤

キャッチコピーは「逆転だよ逆転」、「7点取られたら、8点取ればいい」

タイトルは野球好きのルーズヴェルト大統領が「8対7」の試合が最も面白いと言ったことが由来。
作品中では、ルーズヴェルト大統領という説明しかないので、セオドア(第25代)なのかフランクリン(第32代)なのか気になって仕方がなかったですが、調べたところ後者とのことです。

社会人野球をテーマにしている作品ではあるけれど、野球の描写に期待して読んではいけない。
著者もあとがきで述べている通り、読者を野球シーンで引き込もうとはしていないのに、なぜか単純な勧善懲悪ストーリーに引き込まれて臨場感を感じてしまうのが池井戸作品の不思議な魅力。
序盤ではあまりに短絡的な展開に「購入を失敗したか?」と思っていましたが、読み進めるうちにあの描写はこういう伏線であったのかと気づかされて序盤でこの本の価値を判断しようとした自分を恥ずかしく思いました(笑)

惜しむらくは悪役が悪であるという根拠が弱かった気がします。買収実現に向けて様々な方策を打つ大企業や、高リターンを求める株主がなぜ悪なのか。
感情的なところはわからないでもないですが、感情論に引っ張られすぎて資本主義の論理を軽んじているのはないかという気がします。

社会人野球という切り口から、会社の経営とはなにか社員にとっての会社とは何か、サラリーマンがどうあるべきかというメッセージを伝えているのは流石です。
テーマとして他のスポーツではなく野球が題材として選ばれたのは、メジャーなスポーツだからというだけでなく、野球がワンチャンスで大量点が入る「逆転のスポーツ」だからこそなのでしょうね。

右肩上がりの経済成長が終わり、企業のコスト削減として実業団の名門という部が廃部になる一方で、DeNA駅伝部のような新たな取り組みも生まれつつあるなど実業団スポーツは過渡期にあります。
実業団スポーツを観戦する前に本作を読めば、実業団スポーツがより一層楽しめると思います(特に都市対抗野球ファンは必見!!)。

満足度
☆☆☆☆★

  1. 2014/04/15(火) 05:20:13|
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『ロスジェネの逆襲』池井戸 潤

2014年最初に読んだ本がこの本。昨年ブームの半沢直樹シリーズの第3作。
証券子会社へ出向した半沢がM&Aを舞台に活躍するというお話です。

金融機関の提供するアドバイザリーサービスというのは、まさに小職が従事してきたお仕事でしたので前2作に比べるとかなりすっきりと頭に入ってきました。スキームの適法性や実現可能性、登場人物のあまりにもな順法意識など、この仕事をやっている身としては突っ込みどころ満載でしたが、新聞紙上を賑わすようなビッグディールの裏でどのようなことが行われているかをイメージするのには適した本です。銀行のアドバイザーも登場するので、M&Aと融資の関係性についても理解が出来るというのも素晴らしいです。


「事実は小説より奇なり」と申しますが、描かれているような神経戦・情報戦が繰り広げられているのは紛れもない事実。一つのM&Aが成功するまでには様々なステークホルダーの思惑が交錯し、胃が痛くなるような思いを何度もさせられることが往々にしてあります。でも、そこがM&Aアドバイザーという仕事の魅力があり、一度体感するとなかなか抜け出せないんですよね。

バブル崩壊、終身雇用制の崩壊など、現在のなかで職場には世代間格差が内在しています。小職も、同じ職場に30年前に入っていれば行内結婚も出来て、悠々自適な老後を送れたのだろうと無意味な想像をしたことは正直あります。私達の世代では「会社への忠誠=幸福な人生」という等式は成立することはないんです。だからといって、世代間の格差に不満を言い続けても何も生み出しません。
格差がなぜ生まれたのか、なぜ問題なのか、どう取り組むべきかを考えながら、最適だと思う社会と会社のカタチを見つけることが若手世代に課せられた課題なのだと思います。

本作品から学んだ最大のテーマはアドバイザーに限らず金融機関に勤める者が「どこを向いて仕事をすべきか」ということです。あくまで一般論ですが、今までの銀行員は「顧客第一主義」といいながら、「組織の論理」や「銀行の利益」を重視してしまってきた面はあるのだと思います。フィーの獲得を最大の目標とするのではなく、顧客にとって真に価値のある提案ができているのかを自省しなければいけないと再認識させられました。
メインバンクや主幹事というもの意味が薄れて行くなかで、顧客の状況・ニーズを正確に把握し、顧客とともに成長できるビジネスをするということが現代の金融機関の使命だと思っています。

とある登場人物が退職理由で言う「仕事の質は人生の質に直結する」という言葉が一番印象に残りました。
2014年の目標を立てる前にこの本を読んだことは本当に収穫でした。

満足度
☆☆☆★★

キーワード
M&A/証券/半沢直樹/利益相反/粉飾/TOB/買収防衛/第三者割当/バブル/ロスジェネ


  1. 2014/01/05(日) 02:15:23|
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『オレたち花のバブル組』池井戸 潤

『オレたちバブル入行組』の続編。おなじみ勧善懲悪の半沢直樹シリーズ。
ただ、銀行という組織は特殊な世界で、かならずしも完全懲悪が機能しない世界であるということは読み進めていけばわかります。半沢の行為にもモラル的にどうなのかという行為は多々あるわけで。


今回のメインテーマは金融庁検査。
銀行には調達コストの低い預金をお客様から預かり、それを法人・個人への融資や投資で運用して利益を上げるという権利を国から与えられています。
特権がある一方で義務もあるわけで、銀行は自己の利益の最大化を追求するのではなく、預金者からの信任に応える(要は損を出さずに安定的な運用をする)必要があります。銀行がしっかり運用できているのか、融資への評価は適切かを判断するのが銀行の監督機関である金融庁による検査。
私は融資の経験はないので存じませんが、金融庁検査があると若手を中心に終電でも帰れず休日出勤というハードな日々が続くのだとか。
融資への返済がなされるのかを評価するには、融資先の将来キャッシュフロー予測をする必要があるわけでして、過去の数字だけでなく事業計画や業界分析、担保価値や経営者の資質など諸々を見て判断しなければなりません。
定量的・機械的に評価できるなら楽なんですが、さまざま要因を加味してその企業について初見の検査官に納得してもらう必要がある。そうすると、資料の準備などに莫大な時間がとられるわけです。
(定量的・機械的に評価できるのであればバンカーやRMなどという存在はいらないのかもしれませんが。)

融資先が要注意先や要管理先、破綻懸念先へ分類されると引当金を積む必要があり、その積立金はそのままPL上マイナスに作用し下振れさせます。金融庁検査でどう評価されるかは、銀行への業績への影響が大きいビッグイシューなのです。

本作品でも派閥や上司の出世欲によって窮地に陥った半沢が、戦略的かつ自分の意のままに発言・行動しながらピンチを克服していくというストーリー。そしてドラマで賛否両論あったように、最後のクライマックスまでがいかにも銀行という内容。
若手銀行員の多くは「自分は出世の階段の上を目指す」という野望を持って入行してくる。出世競争というプライドをかけた戦いと交差する各登場人物の思惑は非常に生々しくもあり細部までリアリティのある内容だったと思います。

プライド、お金、家族、出世、正義。男が仕事で守るべきものが複数あるなかで、各登場人物は自分の価値観に沿って行動していく。銀行員という組織のなかで自分が誰々の立場だったらどう行動するのか考えながら、読み進めていくとおもしろい。

渡真利や近藤とのチームワークや衝突を見て、やはり同期って大事なんだなと再認識しました。同期に限らず同じビジョンや想いを共有できる仲間が会社に何人いるかで、会社でどこまで上りつめることができるかは規定されてくるのでは。


続編の『ロスジェネの逆襲』はまさに小職が現在している仕事がテーマなようなので、もう少し安くなったら読んでみようと思います。

満足度
☆☆☆★★

  1. 2013/09/25(水) 23:21:58|
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『オレたちバブル入行組』池井戸 潤

巷で話題のドラマ半沢直樹の原作本。私の周りのバンカーでは「なぜあそこまでヒットするのかよくわからない」という意見が多数な印象でしたが、ここまでヒットするとこのドラマが一般の人々の銀行員に対するイメージを規定してしまうので見ないわけにはいかず。ドラマの前半をキャッチアップするのは無理なので原作で対応。

内定者と話す機会があると、必ず半沢直樹について聞かれます(笑)事実は半沢直樹の世界観よりもエキサイティングな事件もあったりしますが、あそこまでの事件はそうそうありません。


バブル期に大手銀行に入行してその直後にバブル崩壊して美味しい想いはできず、団塊世代の尻拭いをしなければならなかったバブル世代。派閥や出世競争という悪しき風習に翻弄されながらも、知恵と気合と行動力で降りかかった火の粉を払っていくというストーリー。
メインとなる題材は粉飾・不渡りですが、自分の担当先がそのような事態になると担当者はかなりひどい目にあってゲッソリします(笑)

銀行に限らず社会人生活には理不尽なことはあるわけで、そのなかで自分の信念と正義を曲げずに上司たちにリベ
ンジする半沢に、読者は必然的に自己を投影しながらスカッとした気分を味わうことができます。
登場人物のセリフの部分が多くタッチも軽いので、一気に読み終えてしまいました。


統合した銀行からの転職者から聞いたようなあるある話もふんだんに散りばめられていてかなりリアリティのある作品だと思います。さすがに銀行員出身の作者が書いている作品ですね。
M銀行とか、M銀行とか、M銀行とか。メガバンクはすべてイニシャルだとM銀行なんですね。

私は金融機関で働きながらも与信(融資)の経験は一切ないので、融資関連の基本用語やRM(リレーションシップマネージャー)の思考回路の一端がわかって参考になりました。
銀行という組織で上にのし上がるにはフロント(法人融資)での実績は必要不可欠。常日頃、「将来、頭取になりたい。」とルフィばりにDQNな発言をしている小職としては一回いつかは融資で実績を残さないと。
ただ、半沢のような勇気も行動力もないので、より思慮分別のある浅野支店長というような路線を目指すしかないのかと思います。

うちの会社は内部での派閥争いや、浅野支店長や小木曽次長のような出世のためにモラルを捨てる方はいないので、その意味では自分が非常に恵まれているなと感謝しました。
そして、銀行員として守らなければならないプライドとコンプライアンス意識という二つの線を再認識させられました。


銀行員にはどのような人種が多いのか、銀行と付き合いのある財務部の方にもおススメの一冊です。


惜しむらくは、公務員に次いで安定した職業という銀行員への幻想が脆くも崩れ去ってしまいましたね。
私も来るべき婚活に際して、銀行員という看板を使おうと思っていたのですが残念無念。浅野支店長の奥様のような方をお嫁さんに貰うしかないですね。。。

満足度
☆☆☆☆★



  1. 2013/09/24(火) 22:49:13|
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『解任』マイケル・ウッドフォード

昨年の日本の経済界を賑わせたオリンパス事件を、告発者であるCEOの視点から時系列で振り返った1冊。
1ページあたりの文字数が疲れなくて目にやさしいということもあるのかもしれないが、著者が事実に対して、何を考え、そしてどのように行動したのかということが非常に論理的でありスラスラと読み進めることができた。一方で、他の菊川元会長をはじめとしたオリンパスの取締役陣の行動及び発現はまったく理解できず苦しいところだらけ。

現時点では正義がどちらにあるのかははっきりしているが、組織への裏切り者として、かつての同僚、株主、債権者、マスコミからバッシングを受けていた社長解任直後の筆者には我々には理解もできぬ並々ならぬ苦労があったのだと思う。

当初、私もブルームバーグ端末を叩きながらこのニュースの記事を目にしたとき、「グローバルカンパニーとはいえ、非常に保守的な日本企業のトップを、生え抜きの外国人がつとめるのは土台無理なはなしであったのだ」と、全くの無理解と会社発表への妄信に基く愚かな感想を抱いてしまったもの。同じニュースを見て、とある先輩が、「多分裏があるから、きっとオリンパスの株価は今後乱高下するぞ」と予想されていたのはさすがでした。(当然ながら、金融機関に働く我々は株式の売買は厳しく禁じられています。)

恥ずべき話ではあるけれど、少なからず日本の金融界や経済界には、著者の行動を「空気が読めない蛮行」と非難したものはいたと思う。
オリンパスほどあからさまに違法かは別として、バブル後に多くの経営者が「飛ばし」によって失態への帳尻あわせを行ったことはかなり確度の高い事実。
そして、「組織という名の大義のもとでは、悪を善と看做す」ことが許される日本では、CEOでありながら組織の根幹を揺るがす告発を行った著者の行動が奇異に移ったのかもしれない。
しかしこの本を読めば、著者の行動と判断の軸は、決して名誉や金への執着ではなく、会社への愛と正義であったということが身に染みてわかる。
語弊があるかもしれないが、著者が頭が切れるとはこの本を読んで感じることはできなたかった。ただ、その場その場で、常識 と良心 に従った適切な判断を下せているのは素晴らしい才能だと思う。


事実の概要が明らかになり、著者はCEO復帰を目指すが、そこで大きな障害となったのがメインバンクと安定株主の無理解であった。
著者から充分な判断材料を得ていたにも関わらず自分の意思で適切な判断を下せない取締役が残る人事など茶番であり、いかにオリンパスの技術が競争力を有するとはいえ、無能な取締役が残ることに株主・従業員・債権者ももっと反対・不満の声をあげるべきであると思う。

空気を読むことは大事かもしれないが、無批判な仲良し集団では、せっかくの利益の源泉をフル活用することはできない。
将来に対する危機意識をしっかり持ち、「飛ばし」のように先送りせずに現実を直視できるリーダーがもっと登場することを願ってやまない。

私は常日頃「将来は頭取になる!」と嘯いてはいるのだが、頭取ではないにせよ自分が上の立場に立ったときに、
ウッドフォード氏のように、会社の利益と良心という視点から大局的に判断できるビジネスマンになりたいもの。
そのためには、もっと経営者が書いた本を読まなければいけないなと痛感させられた。


満足度
☆☆☆☆★

  1. 2012/10/05(金) 01:01:43|
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『七十歳死亡法案、可決 』垣谷 美雨

書店でみかけて、インパクトの強いタイトルにひかれて購入。
タイトルの通り70歳で全員が死ぬのであれば、高齢化に起因する財務負担も解決するし、若者も老後の心配はしなくなるので、消費が増え経済は好転するのではないかと思う。

この本のあらすじは、70歳死亡法案の施行を控えたとある家族にフォーカスして、生きる意味や幸せとは何かについて考えていくといった内容。一見すると非人道的なタイトルのような印象をうけるが、筆者は決して生きることや老人を否定しているわけじゃないということは、後半まで読めば分かる。


年金や福祉の制度が既に破綻しかかっているというのに、高齢者は既得権益の維持を若者は将来への負担繰延への反対を負担する。キャッシュインとキャッシュアウトのバランスが成立していないのだから、給付を減らすのか、負担を増やすのか、もしくはその両方かどれかをしなければならないのに、高齢者・若者の意見が平行線をたどりつづけ、問題の先送りという解決策にはならない選択肢を取り続けた結果、治癒不可能なレベルまで日本の財政は傷ついてしまった。


誰かが譲歩しなきゃいけないけれど、人は追い詰められないと自分の負担を増やそうなどという殊勝な心がけなんてできない生き物だから。
何か大きなショックを加えてあげて、「日本の財政がヤバイ」ってことに気づかせることが必要。
そういった観点から見れば、70歳死亡法案は、多くの日本人が、人生について、介護について、国の財政について、世代間格差について考える真剣に考えるいい機会なんじゃないかと思う。

徐々に大きくなる傷があって、対処療法的に市販薬を投薬するのではなく、逆に傷を広げてさらに出血させることで、ブラックジャックが登場してくれるのに期待するというのもありなんじゃないかな。


「寄付」や「ボランティア」という善意に頼りながら国の将来について語るのはナンセンスかもしれないけれど、
みんなが譲り合いの精神を持って行動すれば、財政問題や高齢化問題も案外簡単に解決できるのかもと、最後まで読み進めながら感じた次第。いまの福祉サービス水準と負担金額を維持して、日本の国債をいずれ弁済できるようなウルトラCなんてないのだから、政治家の求められるのは素晴らしい解決策を提案する力ではなく、根気よく説得を続けて理解を求めるような人間力なのだと思う。


  1. 2012/10/03(水) 00:23:55|
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『苦役列車』 西村賢太

作品への興味というより作家への興味が強くて、まずは芥川賞の本作を読破。
本当は映画を見に行きたかったが、都内で上映している映画館は一つのみで仕事の繁忙期とも重なり見ることができず。
単に興行収入や動員数を比較して「前田敦子の映画は大コケする」という論調があったけれど、そもそも本作は上映してる映画館が圧倒的に少ないという現実を見落としてはならないと思う。
ショッピングモール隣接の全国の映画館でやっている映画と、銀座でしかやっていないR15の映画の動員数を比較するのがそもそもの間違い。


さて、私が作者について関心をもった契機はというと、西村氏がマツコデラックスと対談するという番組。
自分で稼いだ金銭を妻や子供を養うことに使うということが理解できないという考え方は私も通じるものがあるし、
何か面倒なことがあってそれをシンプルに解決する手段がお金ならば、お金を使うことも厭わないという考え方も理解できる。
酔っ払って人に暴言を吐いたり馬鹿にしたりするという似てはいけない悪癖まで似ているというので、非常に親近感が沸いて見ていた。

本題の『苦役列車』はというと、どうやら私小説というジャンルらしく、筆者の経験したことを書いているらしい。
ネタバレは回避するけれど、主人公が更生して希望に向かっていく姿を描いているんじゃなく、むしろ鬱屈とした気持ちにさせてくれる。リア充が読んだら嫌悪感しか沸かないかもしれないけれど、大半の人間はどこかしら自分の欠点を自覚してるわけで、自分の短所と主人公のダメさ加減を少しでも同一視することができれば、主人公に強制的に感情移入させられて作品の中に引き込まれてしまう。

表面的にではあるけれど筆者の生い立ち、容貌、考え方の事前知識を持って読めば、現実と小説が一体となるような不思議な感覚に襲われてしまう。
私小説というジャンルは、描かれている対象(=筆者)がどのような人物か把握した上で読むと、より一層楽しめるのではなかろうか。
(そもそもあまり小説は読まないので間違ってたらごめんなさいm(_ _)m)

満足度
☆☆☆☆☆



  1. 2012/08/28(火) 00:06:10|
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『新版 今までで一番やさしい経済の教科書 』木暮 太一

正直、TPPでなぜあれほど大の大人が揉めているのか理解していなかったので購入。
今までで一番わかりやすいというキャッチコピーは嘘ではないけど、同時にいままでで5本の指に入るくらい内容も薄い経済の本ではありますね。

ある事象が経済にむかってプラスかマイナスか、倫理的に正か悪かくらいの説明しかなされていない。
多分、この本の知識をベースに普段新聞読んでいる人と議論をしたら赤っ恥をかくと思います。


そもそも、この本の趣旨が経済のことをまったく知らない人向けなので、
私の指摘はナンセンスなのですが、あまりに期待外れでした。
正直、この内容の薄さで1300円は高いし、経済書に1300円を出すような人はこの本レベルの知識はほかの媒体から入手しているはずなので、なんか肩すかしをくらった感じでした。
副題で「小学生でもわかる!」とか書いていただければ、そういう人向けなのだなと感じて買い手にも親切だと思うのですが。


どうやったら小中学生にもわかりやすく伝えられるのかのいった観点からはいい見本ではると思う。
将来は、会社のボランティアで中学生向け金融セミナーとかで教えてみたいので、その時にでも読み返そうと思います。


満足度
☆☆★★★

  1. 2012/06/17(日) 16:28:22|
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『談志のことば』 立川志らく


人によって好き嫌いがはっきり分かれる作品だと思う。
立川談志への興味から読み始めるとストレスが溜まるかもしれないが、
談志&志らく信者が読むとずっとニヤニヤしっぱなしという一冊。

「なんで人間がいきなくてはいけないのか」という質問に対する回答なんかは、いかにも談志らしい。
ただ、私は談志の落語を生で見た経験はほとんどないので憶測に過ぎないですが。
世間からはカリスマ視されながらも、人間くさいところもある談志に非常に興味が沸いたのでDVDを見返そうと思った。

第四部の映画と女優の話については、そもそも見たことがないので判断できない。
談志と志らくが好きってことは、見たら嵌ってしまうのだろうな(笑)
映画にまで嵌ると婚活する時間がなくなってしまうので、注意しないと。


満足度
☆☆☆☆☆



  1. 2012/04/11(水) 23:39:56|
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『刑務所なう』 堀江 貴文

ホリエもんの獄中記。
同じような作業の反復が多くて新発見が少ないのか、食事の記録が大半(笑)
単純作業ばかりだと時間の流れは速く感じるのかと思っていたけれど、
実際には時間が余って仕方がないらしい。

刑務所に入るのは当人にとって悲劇かもしれないけれど、
刑務所ライフを充実させるために工夫と努力を重ねる著者の努力に感心しました。
そして、娑婆ではおそらく気づくことができない幸せもあるのだなと目からうろこが落ちました。

あれだけ太っていた著者が痩せてどんどん健康になっていくというという話を読むと羨ましくさえある。

著者と同じような刑務所生活をすごすには、相応の資金力と知名度が必要なのだと思うけれど、
今後刑務所に入る可能性のある方には非常に参考になる本だと思います(笑)

オリンパス・大王製紙事件に対する見解や、IT関連新製品への感想、宇宙への夢なんか
は非常に興味深い。あと、現在の日本の政治&経営に対する提言も。
刑務所という情報ソースが限定された環境ということもあるし、若干極端な物言いになる箇所はあるけれど、
核心を突いていると感じる意見は多いし。
ホリエもんのような極端な人間こそ社会を変えるには必要なんではないかと感じています。
右を真ん中に正したいのならば、真ん中の人間には不可能で左の人間の力が必要。

ホリエもんが登場したときは私も高校生とかだったので、「太った只の成金」だと思っていたけど、
大学で勉強して社会にでていろいろ見識を深めて凄い人材だったのだなと見直しています。

考える時間だけは十二分にある刑務所を出て、
ホリエもんが刑務所で蓄えたエネルギー(童貞力)を開放し、社会がどう変革するのかを注視していきたい。

満足度
☆☆☆☆☆


  1. 2012/04/11(水) 23:36:27|
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『大解剖 日本の銀行』 津田 倫男

各金融機関の違いと立ち位置が歴史的背景も含めてわかりやすく解説されていると思います。
そして各行が何を目指しているのかを近時のニュースから説明。


転職市場とか、某外資銀行の戦略の話とかちょっとデータが古いかなと感じました。
M&A人材を欲している金融機関はほぼ皆無でしょう。
小職が働いている銀行と、メガバンクでは事情が異なるのかもしれませんが(笑)

地銀や、信組は統合していくべきという考え方にはかなり共感がもてた。
ミスが許されない、プライドが高い、過去の栄光等いろいろな理由はあると思うけれど金融業界には非効率な部分がたくさんある。プライドを捨てて実をとれば、それはひいてはお客様の利便性の向上につながっていくと思う。


低金利、デフレ、不況という経済環境を背景として各金融機関が思考停止していると感じてます。
銀行としての従来の役割もはたせず、独自のバリューも出せない金融機関の将来はジリ貧。今までのような高待遇を維持することも不可能だけど、40代後半で退行という風習だけは残っています。


アジア展開やアドバイザリーの拡充というトレンドを追うのももちろん大事ですが、横並びのサービス提供するのが銀行の常なんで、何か抜きんでるものがないと生き残れないという危機感はあります。
筆者の言うとおり銀行の競争力の源泉は『人財』だと信じてます。金融に特許はないんでシステムやビジネスモデルだけではメガバンクに勝つことはできない。弱小金融機関に勤める身としては、自己研鑽の必要性を痛切に感じました。

まずは、カードのデザインをを64種類増やせない提案してみようと思います。
完全に趣味の世界ですが現状30種類以上あるのならば、何とかならないですかね(笑)


満足度
☆☆☆★★

  1. 2012/04/09(月) 01:16:12|
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『会社は不平等!! だから必要 可愛がられルール』井垣 利英

ど派手なタイトルに惹きつけられて購入。あと著者の写真が綺麗だったという単純な理由もありますが。
完全に編集者の戦略にはまってしまいました(笑)


筆者は多分会社も社会も平等だといいたいのだと思う。
ただしそれは実力があり、その実力を評価してもらうための努力をしている前提で。

筆者が自己啓発塾やビジネスを通じて得た教訓がぎゅっと詰まってます。
実践すべきテクニックとして記載されていることは非常にオーソドックスで、確かに実践できれば成果はでると思います。


だけど、なかなか妙なプライドが邪魔してできないんですよね。
とりあえず、感謝の心と素直さを心がけて頑張ろうと思います。


ケーススタディや具体例は、話としてはわかるんだけれど、読んでいて違和感がある。
回答のあとに全く逆の話があったり、具体例が胡散臭いというか、その章のテーマと必ずしも合致していないと思うし、その具体例が成功例なのかもわかりにくい。

読みやすいので、繰り返し読んで実践すれば効果が必ずでると思います。

満足度
☆☆★★★


  1. 2012/04/09(月) 00:52:42|
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『非選抜アイドル』 仲谷 明香

関東を暴風が襲った日に購入。前日が発売日だったのだけれど、都心でも発売日当日の入手は困難だった模様。『非選抜』ということもあってか、各書店の入荷数も少なかった模様。

劇場版の売上の比率をそのまま当てはめるのであれば、前田の写真集を30冊仕入れる本屋であれば、本書をせいぜい2~3冊仕入れればよいということになる。しかし、仲谷のような非選抜アイドルはAKBグループ合わせれば100名以上いるわけで、非選抜メンバーを推しているファンとしては自分の推しメンの心理を理解するために購入する者の相応の割合でいるはず。また、単純にAKBという組織全体への興味があるファンもいるだろう。そのため、首都圏で品薄状態が続いたのではないかと勝手に想像してみた。単純に、配送や棚卸が遅延しただけかもしれないが。


文章も読み易く飛躍したロジックとかはないので、小学生でも十分理解できる内容。ここまで平易な文章を書くのって訓練しないとなかなかできないと思う。頁あたりの文字数も少なめなので1時間弱で手軽に読むことができたが、20歳の少女(?)がしっかり自分を客観視して書けているなと非常に感心しました。「非選抜アイドルなかやん」がどのような経緯で生まれたのか、そして非選抜として4年以上も継続することができたモチベーションの源は何なのか、大家推しの私としては参考になり、かつ去年の仲谷生誕での挨拶の真意が腑に落ちました。

AKBを見ていると自分も頑張らねばという気にさせられるが、実際になかなか行動にはうつせていないのが現状。たとえ成果を出せず評価もされなかったとしても、努力を継続するためには自分がなぜそこにいるのか、自分の目指すものをはっきりする必要があるのだなと感じました。

大家も『バラエティ・アイドル』という明確な夢があるから強いんだな。最近は体調崩しているようだけれど、夢に向かって頑張って欲しいです。

あと、ブログは毎日書くのが重要とのこと。小職も今日から毎日更新します(笑)

中学の同級生を追いかけてAKBに入った仲谷が、その同級生にスポットライトの当たる瞬間を一番近くの席で見ていたって何かドラマを感じる。そこまで秋元康が計算していたならば大したものだけれど。

満足度
☆☆☆☆★



  1. 2012/04/06(金) 07:42:35|
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『社畜のすすめ』 藤本 篤志

最近、色々仕事で悩みがありついつい手にとってしまった一冊♪

タイトルを見たとき、「社畜」という言葉に非常にネガティブなイメージがあった。
しかし読み進めていくうちに、筆者の提唱する「社畜」という言葉の真の意味が理解できて一気に読み進めてしまった♪

「24時間働けますか」というリゲインのCMが大好きであったように、プライベートを犠牲にしてでも仕事で結果を出す方が正直格好いいと思っている。仕事に全てを捧げるのは一向に構わないが、何か自分なりの価値を日々の業務で提供したいという思いは少なからずある。

金融機関で働いているというと、比較的クリエイティブな仕事をしているように見えるらしいが、若手銀行員の仕事など大半は社内決済などの事務手続きばかりである。自分なりの創造性を発揮したいという思いが強すぎると、現実とのギャップに非常に苦しむようになる。

筆者の主張する能動的な「社畜」とは、ある程度考える姿勢を維持しながら、下っ端としてすべき仕事を確実にこなしていくことで、社会人としての型を身につけることができ立派な管理職になれるという働き方のことである。
カリスマの書いた自己啓発本を読んで実践しても大抵が失敗する。そもそも凡人が、一流のマネをすることがそもそもの間違いなのかもしれない。正直、小職も自己啓発本は大好きであるが、本のエッセンスを全て実践できたことなど一度もない。「これいいな」と思ったことのなかから1個か2個が実践できれば恩の字である。

しかし、あまりに理想が高すぎると、ビジネス書を読んでは挫折を繰り返すという悪循環に陥ってしまう。
自分が凡人であることを認識し、「成果主義」や「オンリーワン」といった耳障りのいい嘘から距離を保ちながら、社畜としてゆっきり確実に成長していくことでストレスの少ないサラリーマン生活を送る秘訣なのかもしれない。

読んでいて実践したいなと思ったことは以下の通り。
・新聞の社説を音読&書き映し → 議事録を書く訓練
・落語のマスター → 表現力(大学の教授も落語をマスターしてから一気に生徒から人気がでたとか。)
・謙虚さを忘れない。感情で上司を評価しない。焦らない。悪口を言わない。短期的な勝負に固執しない。
・移動時間中の読書
・継続的な情報収集
・社内人脈の構築


サラリーマンには、それぞれの段階に応じて身につけるべき能力があるということには大いに同意するし、社会人の先輩を見ていても、若い時分に謙虚に努力した方は確かに立派な管理職にはなっていると思う。
この本の大半の部分については納得できて、最近自分が遭遇していた問題の解決の指針にもなったけれど、まだ凡人であることを受け入れるつもりはないんで、天下をとれるようにもうちょい遮二無二がんばろうと思う。
いつか、夢を追うことに疲れたら再度この本を本棚から取り出して、社畜を目指すのもいいのかもしれない(笑)


満足度
☆☆☆☆☆


  1. 2012/02/14(火) 01:10:52|
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『NOと言えないあなたの気くばり交渉術』発売記念講演会 感想

本日は『NOと言えないあなたの気くばり交渉術』の発売記念講演会に行ってきました。場所も水天宮と会社から近くの場所。

著者の藤田尚弓さんは、テレビにも多数出演されている実業家でかなりお美しい方です。生憎、わが家にはテレビがないため拝見する機会はないのですが、聴講者の大半が仕事ができそうなタイプの女性だったのもそのような背景がテレビ等の影響があるのかなと感じました。

入り口のところでご本人にお目にかかる機会があったのですが、ご丁寧に「お久しぶりです」とご挨拶を頂戴しました。フォトリーディングのセミナーを受講したご縁があるだけですので、もしかしたら全員に言っているのかもしれませんが、銀座ホステス出身の心配りには感服させられました。

テーマの内容はずばり「交渉術」について。交渉することで、自分も相手も満足のいく結果を得ることができるという内容でした。聴講者は全員先生の著書を読んでいるわけですが、それを全ては実践できているわけではありません。「交渉をやるとこれだけお得なんですよ」という内容を、様々な具体例を示されながら噛み砕いてご説明いただきました。

役に立ちそうだなと思った内容&エッセンスは、
・ 交渉前に自分の譲れない軸を認識し、それ以外のどうでもいいことは譲歩する。
・ うそであろうとも、おおげさに誉める。
・ レッテルを貼られる前の段階に一番エネルギーを注ぐ
・ レッテルを覆すには → 外見を変える

本を読んでから少し時間が経過していたので、ちょうど良い復習になりました♪
合コンとかで、希少性をアピールするというのは継続しているのですが、他のテクニックについても実践&継続できればと思います。


終了後は、会社に行って明日の勉強会のレジュメの作成(泣)
勉強会を再開する為に、自分が発表やりますなんて言うんじゃなかった。。。
今から、LECの本を引っ張り出してきて会社法の復習です。


  1. 2012/02/12(日) 21:55:24|
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『修羅場の経営責任―今、明かされる「山一・長銀破綻」の真実 』 国広 正

この本の書評を書く前に断っておくが、この書評については客観性や公平性が欠けている可能性は非常に高い。
この本と関連する企業とそれなりの関わりがあり、もしかしたら気づかぬうちに色眼鏡で見ている可能性は多分にある。
(そもそも、今までの書評や日記も主観的でかなり寄っているとは思うが)

筆者は弁護士であり、山一證券破産では第三者委員会の一員として、長銀破綻時は粉飾で起訴された経営陣の弁護団の一員として関与している。

山一證券事件では、なぜ飛ばしが実行され、飛ばしが発覚した時に経営陣がどのように行動したかが克明に書かれている。正義感に溢れ、例え自分が不利な立場に陥るとしても真相究明に協力する役員もふれば、自己の保身のために事なかれ主義と悪しき習慣に終始する役員もいる。
従来の日本においてはプロパー社員の最終目標は、役員(社長)に就任することであった。高度成長期であれば年功序列も正常に機能したのかもしれないが、高度成長も終焉を迎えかつての悪しき日本経営をしている余裕は今の日本には存在しない。今一度、「経営者になること」の意味を見直さなければならないと思う。取締役の椅子は、プロパー社員にとっての名誉と高給のシンボルではない。取締役に就任するということは、株主をはじめとしたステークホルダーに責任を負うということであり、経営に失敗すれば身ぐるみを剥がされるというくらいの覚悟が必要である。(ただし、あまりに規制を強化し、経営者の自由な判断を委縮させてしまっては元も子もないが)


一方で、長銀破綻は経営者の責任意識が強すぎたがために、社会的損失を招いた事例なのであると思う。
長銀の粉飾決算に関する無罪判決が確定したのは昨年である。判決要旨を読む機会があったが、事実判断が問題になったわけではないのに、よく一審&高裁で有罪を勝ち取ることができたと変に関心したものである。
確かに、長銀破綻処理に多くの血税が注入される結果となったのだから、誰かに責任を取ってほしい(=処罰したい)というのは人間感情であると思う。しかし、刑法解釈と感情論は全く別物であり、他人の判決で正当な裁判がなされるからこそ、自分の裁判も正当に実施されるであろうと安心できる。
「国策捜査」という言葉が数年前流行したが、まさに本件は国民感情の高まりを背景として検察が暴走した事例の一つである。本書では、長銀事件の当事者の視点からわかりやすく時系列で記載されており、事件の論点が何かは非常に分かりやすかった。


長銀の経営者たちは自らの経営責任への贖罪として、やってもいない粉飾を認め、中には自殺するものまで存在した。「自分が罪を認めれば、他の仲間が救われる」という発想や、「死んで詫びる」とい発想も個人的には嫌いではない。寧ろ、そのような武士道的発想は大好きである。
しかし、それにより真相の究明がなおざりのまま10年以上の年月が経過してしまったのである。破綻を避けることができない以上、破綻を社会にとって少しでも有益なものにするためには、徹底的な真相究明を実施し、シェアすることで他の企業の経営に生かすべきであった。金融機関は過度のリスクテイクを避けるべきという教訓がいかされていれば、リーマンショックの影響を少しは減らすことができたのかもしれない。
日本男児としてのプライドを守ることも結構だが、正しい責任の取り方を検討すべきであった。


2011年は東京電力、オリンパスと経営者の責任の取り方が問われた年であった。
あくまで個人としての見解であるが、天災に対する甘すぎる経営判断をした前者、粉飾という市場の最低限守るべきルールを破った後者には資本主義市場から退場願いたいのが本音である。ただ、退場すると周囲への影響が大き過ぎるがために延命がなされているのである。まさに、Too big to fail.という言葉がぴったりと当てはまる。
経営者たちは、そのことを肝に銘じて、なぜ誤った経営判断がなされたのか真相を究明し、社会とシェアすることで貢献するべきであると思う。

満足度
☆☆☆☆★


  1. 2012/02/08(水) 00:32:45|
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『抗争』 溝口 敦

有楽町の本屋で偶然目が止まり購入。
レジの横にあるということは、暴排条例施行で今一度「ヤクザ」とは何かが見直されつつあるということだろう。

筆者の主張は「抗争」があるからこそ暴力団が、暴力団でいられるというもの。
付近の住民にとっては迷惑千万な話であるが、抗争により与えられる「ヤクザ」は人を躊躇なく殺傷するという印象こそが、一般市民がみかじめ料を支払う最大の理由であると思う。


当然のことながら、私は暴力団を肯定するわけではないし、不要な存在であると思っている。一方で、『仁義なき戦い』や『アウトレイジ』といった映画にもなんとも言えない魅力を感じてしまうのも真実である。

何かの記事で読んだのだが、数十年前までは成人男性の最大の死因は戦争を含め人間によるものであったという。
現在は、幸運なことに法治国家が一定程度機能しており、殺人により命を落とす機会は稀である。
それでいて、「暴力団の抗争」に魅力されるのは暴力性こそが人の本性の一つである証左なのかもしれない。


本書の大半は、一度は聞いたことがあるような有名な抗争の経緯をただ羅列したのみである。そして、それぞれの事件は同じようになっている。
些細な抗争をきっかけとして、一方が相手の幹部を殺す。その報復が実施され、双方が自分の主張を維持するために抗争が激化していくのである。戦後の各事件の中心に居続けたのが、神戸の山口組であり、山口組を含めた大組織の動向や思惑が抗争の行方を大きく左右していく。

「ヤクザの抗争」は当時者にとって直接的な利益をもたらすわけではない。むしろ収入も途絶え、自分も家族も命の危険にさらされるというデメリットの方が甚大である。それでも、「ヤクザ」は面子・仁義・親子の絆(擬装的な血縁関係ではあるが)を重んじて抗争を続けるのである。
法治国家の日本において、彼らの論理は無謀なものではあることは間違いない。だが、無謀であるからこそ法治国家という狭い枠で生きている一般の男たちの心を打つのかもしれない。

近時の、暴力団による犯罪の厳罰化や警察の厳しい取締もあり、財政的にも厳しい状況が続いているとのことである。そんな背景もあってか、九州地方などでは犯人不明の発泡事件が増加している。
「暴力団」が市民に脅威を与える方法は変遷している。しかし、ヤクザの不変の本質は何なのかを理解しておくことは、反社会的勢力に対抗していくうえで有益であると思う。

満足度
☆☆☆★★



  1. 2012/02/06(月) 23:28:15|
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『ライアーズ・ポーカー』 マイケル・ルイス

筆者はソロモンで債券のトップセールスであったマイケル・ルイス。
日本では「マネーボール」の著者としてのほうが有名です。小職も彼がソロモン出身だということをつい最近になってしりました。


「投資銀行=巨大な幼稚園」
就職時には投資銀行を目指していたこともあり、この見出しに惹きつけられ購入。
ソロモンがなぜ隆盛し、そして没落していったかの流れがわかります。要は必然ではなく偶然の産物です。


タイトルの「うそつきポーカー」はインディアンポーカーのような単純なルールの化かしあいゲーム。
インディアンポーカーよりも確立論の要素の割合は大きいが、勝つ為に必要なのは相手の心理を読みきること。
この単純なゲームに債券トレーダーの本質が含まれていると著者は主張する。


世間からはエリート扱いされ、国民の平均年収より遥かに高い給料をボッタくる投資銀行マンがどれだけ優れているか。それと同時にどれほど非常識でばかげているのかということがわかるように緻密に構成されている。若手と上長との明確なヒエラルキー、フロアの雰囲気、ボーナス事情は本当にリアル。

私自身金融機関に働く身として世間一般の常識とずれているかを認識できただけでも有益であった。

一般の読者が学ぶべきは、金融機関との付き合い方なのだと思う。営業妨害レベルな赤裸々っぷり。
恐らくこの本を読めば銀行や証券会社の社員に対する見る目が大幅に変わると思う。多くのバンカーの名誉の為に述べるが、この本に描写されているような人数はごく僅かである(笑)


海外紙の書評を読みかなり期待していたが、大笑いできるレベルかというとそうでもない。投資銀行を題材とした喜劇としては、下品さもシニカルさも『サルになれなかった僕たち』の方が遥かに上ではある。
「銀行員あるある」がふんだんに散りばめられていたので、適度に笑うことはできた点では及第点。



満足度
☆☆☆★★


  1. 2012/01/10(火) 23:34:48|
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『NOと言えないあなたの 気くばり交渉術』 藤田 尚弓

1ヶ月ぶりの読書記録。
週3くらいのペースで読んではいるのですが、書評を書くという目標は完全に挫折しました。

著者のフォトリーディング講座を受講したことがあったので購入。
生徒との距離のとり方とか非常に上手いな~と思ってました。

扱われているテクニック自体は決して真新しいものではないと思います。

ですが、非常に平易な言葉で説明してますし、「なぜ交渉術が必要なのか?」
を読者に優しく語りかけるように説明している点には好感がもてました。

また、誰もが遭遇しうるケーススタディで説明しており、
読者が抱える課題を実感しやすい構成となっています。

実際に全てのテクニックを実践するのは無理かもしれないですが、
本に書かれているような考え方があるというのを意識して交渉するのでは結果が違ってくると思います。

あとは、恋愛の交渉テクニックはいつか使ってみようと思いました(笑)
自分の希少性を厭味なくアピールして、AKBOTAであるという点については長期的な関係性ができてからオープンにするという戦略が必要ということか。

満足度
☆☆☆☆★

  1. 2011/11/30(水) 12:57:58|
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『AKB総選挙に学ぶこころをつかむ技術』 三浦 博史

書評ブログという当初の目的を忘れておりましたので久々に書評を書きます。
とはいってもこ今回もAKB関連ですが。

議員インターンの経験やAKBへの前提知識もあり、30分程度でサクサク読めました。

結論から言うと「看板に偽りあり」という作品。
AKB総選挙と日本の国政選挙の比較が大半を占めるのですが、それぞれの制度の特徴を説明する際に引用されているエピソードは大半が政治関連のもののみ。正直、AKB総選挙への分析が不足している感は否めない。

序盤でAKB総選挙を定義してしまっており、そこに執着したせいで分析が広がらなかったのかもしれない。
AKBの選挙エピソードは公式ガイドブックの内容レベルで非常に薄いもの。柏木・大場躍進の秘密や、一方で大きく順位を落とした宮崎・片山等の分析をして欲しかった。あとは、圏外から大躍進した仁藤に投票したファン心理とか。それぞれの候補の一年間の方針や実際の行動まで分析するくらいはすべきであると思う。とても、選挙の専門家が書いた本とは思えない。

「ひとのこころをつかむテクニック」について記載はあるのだが、あまりにも在り来たりすぎて面白みにかける。本音ベースの情報が全く取得できないアイドルを分析対象とするのがそもそも不適切だったのではなかろうか。AKB関連の具体例はわずかであるし、これでは、売上増を狙ってAKB総選挙ととりあえずタイトルにつけたのだと勘ぐりたくなってしまう。小職は著者の狙い通り、タイトルにひかれ購入してしまったのであるが(笑)

そして、選挙プランナーである著者によるAKB総選挙での戦略の記載はあるが、あまりにも当たり前すぎる内容。メディアの活用やイメージ戦略など一般的な言葉を読者は求めているのではなくて、特定の候補がどうすれば選抜入するのかの具体的な戦略を示してほしかった。


AKB総選挙のエピソードを知りたいのであれば内容が不十分すぎるし、人心掌握術を習得したいのであれば他の専門の自己啓発書の購入を進めたい。


満足度
☆★★★★


  1. 2011/10/24(月) 00:52:19|
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暴力団 (新潮新書)  溝口敦

ブログを書き始めて一カ月以上放置。
書評ブログを始めるというコンセプトに無理があったのか。競馬予想ブログとか、AKBファンの叫びとかならもう少し更新頻度があがると思うんですが。


それなりのペースで本は消化できてるんだけど、感想を書くとなると非常に高い。

気を取り直して、今日はアングラ系な本を読んでみました。
東京都も暴力団排除条例が施行されるということで、一般市民としてはより一層反社会的勢力の接触に留意しなければなりません。そもそもの疑問は本条例が、憲法違反なのではないかということ。よく全都道府県の条例を通過できたなと感心してます。

誰か一人くらい「憲法違反」を声高に叫ぶ憲法学者が出てもいい気がするのですが。何も、反社を肯定するわけではなく、過去の判例や憲法の趣旨との論理的整合性を追求するような学者に出てきて欲しいものです。


掲題の本ですが、非常にわかりやすく暴力団が説明されています。
テキヤ・博徒・愚連隊の違い、組員・構成員・共生者の違い、各国の反社勢力の比較など、日常会話で稀に使うアングラ用語がわかりやすく解説されていています。そして、同じ言葉を何度も反復するので否が応にも頭に入って来ます。正直、もっと言い換えの言葉を使った方が、文章としてはスマートな印象ですが。

バブル期の暴力団員の平均収入高は1,400万円だったとか、覚せい剤の末端価格は生産者段階の150倍など酒の席でうんちくになるような話題満載。

作者はの主張する中立性というのも比較的維持されていた印象。
作者は暴力団の将来に対してかなり悲観的。一方で、暴力団がマフィア化する可能性にも警鐘を鳴らしている。
何がベストな選択かは未来にならないとわからないが、やがて暴力団はすたれてしまうのであろう。


「暴力団を完全にせん滅したいなら、暴力団である時点で有罪となる法律を作ればいいのではないか」という筆者の主張は目からうろこが落ちた。確かに、暴力団のせん滅を標榜しながら、暴力団の存在を前提と置いている現行法は矛盾している。暴力団の延命を望む存在としての○○という視点で読めば非常に興味深いかもしれない。



満足度
☆☆☆★★


  1. 2011/10/05(水) 00:10:29|
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二塁手論―現代野球で最も複雑で難しいポジション

民主党の代表が決まり、大方の予想を裏切る結果となりました。
決選投票になった場合は、反小沢で結集するので海江田氏は厳しいとは思いましたが、まさか野田氏とは。
となると、野田氏の準備不足を理由に立候補した前原さんはなんだったのでしょうか。

唯一の増税路線候補者であるし、マニフェストの修正など比較的まともな方が当選して結果として良かったと思います。次の選挙は惨敗するでしょうが、選挙に勝つだけが政治ではないんで。
松下政経塾からは初の首相だというのは意外でした。


個人的に一番注目してたニュースは「あおぞらか東京スター買収?」という記事。
買収対象が判明してない記事ってなにか滑稽でした。日経にも記事がでていたし、サーベラスと交渉してるのは間違いないんでしょうね。
なぜに中国やインドではなく日本に進出するのか狙いは不明ですが。
OZ資本の下で働くといのも、新鮮で楽しいかもしれないですね。


■今日の読書記録
帰宅が遅くなったので軽めの本を消化。
ロッテの井口選手書いた本なのですが、かなり内容は薄いです。
自分もセカンドを守ってたことがあるのでわかりますが、二塁手というのは見た目以上に難しい。
捕球の後のパターンが多いのと、場面ごとの守備位置が違うので。

井口選手は、ショート一筋だったのがセカンドにしたことでボディバランスが格段に改善されたとのこと。
身体能力という意味では求められるレベルはショートの方が圧倒的に高いですが、セカンドの守備を守ることで総合的な技術が伸びるってことなんでしょうかね。相手の気持ちを理解する為にも、複数ポジションで練習するのは重要。井口は二塁転向後は一筋だったそうで、それはそれで勿体ない。



そして、打撃面では「ひきつけて打つ打撃」を身につけたことで一気に改善したらしい。
確かに中日の和田や井口のポイントは後ろにある印象はある。但し、一方で「引きつけて打つ打撃が投高打低の原因」という議論もあるので、一般化して論じるのは危険だと思う。


「自分の長所を伸ばすために、盗塁王のタイトルを狙った」というのは非常に参考になった。投手に対する観察眼や配球を読む力が身に付くし、野球全体を知るという点で非常に意味があると思う。個人的に秋リーグは盗塁王を目指そうという気になった。

大半が井口の自叙伝の域を出ない。小早川の「ZONEとは何か」もそうだが、プロ野球選手の書いた新書は魅力的なタイトルだけれど、中身が伴わない作品が多い気はする。ただこの本の最大の意義は、「セカンドという地味なポジションにスポットライトをあてた」ということにつきる。


総合評価
☆☆★★★

  1. 2011/08/30(火) 00:17:47|
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