くらげたちへのレクイエム4

都内金融機関にて社会人7年目。 東京大学法学部卒。メインは読書記録を書いていく予定。▽キーワード:自己啓発、金融、野球、政治、M&A、競馬、AKB、大家志津香、異国のパルピタンテ、ヴィヴィアン・ゆん、dora☆dora、一色葵

馬の走り方の秘密 -馬の走り方の特徴をオルフェーヴル号のデータから解説

講師 競走馬総合研究所(@宇都宮) 高橋さん
高橋さん普段の業務内容:ドーピング検査、馬の動きや馬場の影響、故障の要因についての研究


馬の骨格の特徴:手首より下、足首より下が非常に長い
脚の回転を早くする必要性→先端を軽くし、重い筋肉が体の近くにある構造


馬の走り方について

常歩(ウォーク):左右の脚が対称、タイミングが1/2ずつずれる、対角線上の脚がつく、頭が動く(頭の動きでどの脚が痛いのか分かる)
速歩(トロット):左右の脚が対称、タイミングが1/2ずつずれる、対角線上の脚がつく
駈歩(キャンター):左右の脚が非対称、着地音が3つ、1ハロン15秒、
襲歩(ギャロップ):四肢が別々の動き、着地音が3つ、1ハロン15秒以内、
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左手前:左前肢が最後につく
右手前:右前肢が最後につく

左カーブ:左手前 逆手前ではカーブを曲がりきれない(ex新馬戦でカーブアウトする馬)
カーブから直線に入ると手前を入替える。通常は馬が勝手に替えるが、替えない場合もあるので、その場合は騎手の合図で帰る。

馬は反手前後肢で推進力を発揮している。
ダート馬でも後肢で力を出しているはずであり、ダートが得意な馬に対する「前輪駆動」という表現は誤り。
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ディープインパクトは空を飛ぶのか?

武豊の発言「空を飛んでいるよう」
後肢蹄鉄の磨耗が少ない(つま先部分)
GI馬は蹄鉄の磨耗が早い(平均2週間で交換)、しかしディープは3週間で交換

ピッチ×ストライド長さ=秒速

事例 菊花賞
ディープ 2.36(回/秒)×7.54(m)=17.8m/s
他馬平均 2.28(回/秒)×7.08(m)=16.1m/s
(ピッチについてはベストは2.4の馬もおり、ディープがトップというわけではないがストライドが長い。)

空中にいた時間 ディープ0.124秒 他馬平均0.134秒 わずか1/100秒の差
空を飛んでいる時間は短いが 空中にいる間に進む距離は長い ディープ2.64m 他馬平均2.43m
◎実は空を飛んでいる時間は短いほうがいい。(長いと上に動くのでエネルギーロス)

◎ディープは、二肢が同時に着地している時間が短い。 → セクレタリアトの走りと同じ特徴
反手前前肢を着くのが遅い = 体を伸ばして走っている
稼動範囲  他馬平均は81度に対して、ディープは91度 手前前肢をより前に、後肢をより後ろに振出している
頭を上げるタイミングが遅い → 馬体の上下動が少ない

(余談)調教でウッドチップを飛ばすような走りを「パワフル」と褒めるコメントがあるが、
飛ばさないほうが地面への推進力がしっかり伝わっているのではないか。

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オルフェーブルの強さの秘密

事例 菊花賞
ピッチは2.38(回/秒)でトップ、しかしストライドは7.30(m)とトップではない(17.3m/s)
ダービー(不良馬場)
ピッチは2.25(回/秒)と抜けているわけではないが、ストライドは7.50(m)とダントツ。
他の馬は良馬場と比べるとストライドが短くなるのが通常。
オルフェーブルはディープとは異なりストライドよりもピッチを上げる走法。
しかし、バランス感覚がいいので、不良馬場でもストライドを伸ばすことができている。(両後肢を同時に着地)
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凱旋門賞について

ロンシャン競馬場は洋芝で芝が長いのが特徴。(函館・札幌は洋芝)
日本の競馬場は砂の上に野芝を敷いているが、ロンシャンは砂と芝の間にふかふかした層が存在する。
ディープが挑戦した2006年は良馬場。ディープは2.5(回/秒)×7.5(m)と、日本の馬場に近い状態であったためストライドを伸ばすことができていた。

2012年は雨が多く、ふかふかした層がぬかるんでおり、ストライドは伸ばしつらい。
ディープ型は苦戦が予想されるが、オルフェーブルなら善戦するのではないかと予想。
ただ、ヨーロッパの馬は洋芝が得意な馬が出走してきており、展開が予測困難なので走って見るまでどうなるかまではわからない。

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質疑応答コーナー

(質問)競走馬の走り方を矯正することは可能なのか?
(回答)10歳以上で性格が穏やかで賢い馬を選ぶ乗馬であれば育成はできるが、競走馬が能力のピークの時に矯正することは不可能。
先天的に身に着けた走り方のいい所を伸ばすという育て方が普通。

(質問)スタート直後が直線コースの場合、スタート直後の手前はどちらになるのか?
(回答)馬によってバラバラ。ジョッキーによってはコーナーの数を計算して、スタート時の手前を決める騎手もいる。(バランスを微妙に変えることで、馬に指示を送るのは可能とのこと。)
スタート直後は大体はその馬が得意な手前で走るものと思われる。コースによって性格が全く異なる馬の場合は、手前に得手・不得手がある場合がある。

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以下は、REXS フォローアップセミナー(講師:古谷剛彦)


■休養明けの馬の取捨選択の方法
新聞、コメント、調教、パドックから分析するしかない。では、調教時計を同分析するか?
専門には前走の調教タイムが出ており、その時の馬場状況を加味しながら比較する。
前走時よりもタイムが出ていれば、前走程度には仕上がっていると判断できる。


■パドックでは馬体重は気にしない。目安にはする。
太目か細めかを判断する場合は腹を見る人が大半。腹帯が緩んでいたら余裕があると判断できるが、
元々余裕がある体つきの馬の場合は問題ないことも。過去との比較が必要。
わかりやすく判断する場合はトモ(尻)から判断すればよい。背割れしている場合は明らかに太い。
ひばらがとがって見える場合は細い。(腰骨がとがっている状態)


■サトノギャラントが勝ったレースの回顧(道中は最後方から差切勝)
レースは2F目で急に早くなるが、どこかで緩むのが通常。
サトノギャラントは向こう正面では最後方であったが3コーナーで前との距離を縮めた。
最後方にいれば、少なくとも最内でコーナーを回ることが可能となり、距離ロスを防げる。
勘の良いジョッキーは他の馬が遅くなったところで加速する。(横山Jは理想的な乗り方)
レースを振り返る場合は、道中の全体のラップと、自分の買った馬のラップを精査する。


■ヨロ(太モモの筋肉)
南半球産馬やサクラバクシンオー産駒にはヨロが立派な馬が多い。一方で、ヨロが全くなかったのがダンスインザダーク。
一見すると筋骨粒々でパワーがありそうに見えるが、筋肉が邪魔をして後方への力が働かなくなり、アクションが小さくなり距離がもたない。


■調教を見る際のポイント
同じラスト3Fだとしても、終いを伸ばしている調教が理想。
坂路5F68秒でもラストが12秒以下ならいい調教(馬には疲れが残らない、堀厩舎の調教パターン)

■迷った時は関西馬
現在の競馬は完全に西高東低。わざわざ関東に遠征に来る関西場に要注意。

■飛節
尾の付け根と飛節が一直線(直飛)が理想とされる。
サンデーサイレンス(SS)系統は飛節の折りが他の馬より深いのが特徴。(exスペシャルウィーク、ネオユニヴァース、マンハッタンカフェ)
重心よりも後ろに肢があり、力を伝えきれないはず。本来であれば弱点のはずだが、SS系は優れた筋力でカバーしている。
後肢の飛節が伸びる分、前肢の完歩も大きくなる。飛節が伸びるのが競走馬にとって重要。
しかし、筋肉量の少ない馬の場合は弱点になる。母馬の筋肉量にも依存するので、SSの孫が必ずしも走るとは限らない。
ディープはSS系なのに直飛。本来SS系にあるはずの弱点がない理想の馬。

SS系の若駒はOCD(野球で言うネズミ)の摘出手術を受けるのが通常(手術は一般化しておりほぼリスクはない。)
筋肉量で無理やり飛節をのばしているので、飛節に負担がかかりやすい。
ex アグネスタキオンは曲飛節なので、活躍馬を出す一方で、産駒の故障も多い

シンボリクリスエス産駒は直飛だがトモがくびれすぎている馬が多く伸び悩んでいる


◎飛節がしっかり伸びれば前肢は振り子の原理でしっかり伸びる。


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  1. 2012/10/17(水) 22:25:41|
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アウトレイジビヨンド

今年一番楽しみにしていた映画なので公開と同時に鑑賞。
丸の内TOEIは人がすごいなと思っていましたが、どうやら『新しい靴を買わなくちゃ』の公開挨拶をやっていた模様。『新しい靴~』とアウトレイジの客層の差がすごいもので、入口でモギリのお姉さんに何か噛み付いている客もおり、客層もアウトレイジにふさわしい方々でした(笑)

北野映画はやはり、前作につづきキャストが豪華過ぎて、とある俳優が序盤で死んでしまうんですが、登場シーンがここまでかと思うと勿体ない気持ちで一杯になりました。
善人のイメージしかない方ばかりなのに、「こいつ無茶苦茶ワルだな」と思えるような表情や雰囲気を醸し出せるのはさすがだと思う。
ここのところ3作連続で新井浩文が出ている映画(ウシジマくん→へルター→アウトレイジ)を見ていたんだけど、全く同一人とは気がつかたかった。役の幅広さがすごかったです。

名優のシリアスな演技満載でコテコテのヤクザ映画なんだけれど、いろいろなところでクスクスと観客の笑い声も起こるという『暴力は笑い』を体現できている映画でした。
加藤や石原などの前作からの登場人物のその後や、接続詞としての「バカヤロー、コノヤロー」の掛け合いも描かれていて、前作からのアウトレイジファンとしても堪らない映画。

日本人が好きそうな勧善懲悪ストーリーではあったけど、何か最後にもう少し一ひねりあればなぁ。
「全員悪人、完結」で次はないのかもしれないけれど、ひょっとして次回もあるのではと思わせて欲しかったです。


満足度
☆☆☆☆★



  1. 2012/10/08(月) 23:19:26|
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『解任』マイケル・ウッドフォード

昨年の日本の経済界を賑わせたオリンパス事件を、告発者であるCEOの視点から時系列で振り返った1冊。
1ページあたりの文字数が疲れなくて目にやさしいということもあるのかもしれないが、著者が事実に対して、何を考え、そしてどのように行動したのかということが非常に論理的でありスラスラと読み進めることができた。一方で、他の菊川元会長をはじめとしたオリンパスの取締役陣の行動及び発現はまったく理解できず苦しいところだらけ。

現時点では正義がどちらにあるのかははっきりしているが、組織への裏切り者として、かつての同僚、株主、債権者、マスコミからバッシングを受けていた社長解任直後の筆者には我々には理解もできぬ並々ならぬ苦労があったのだと思う。

当初、私もブルームバーグ端末を叩きながらこのニュースの記事を目にしたとき、「グローバルカンパニーとはいえ、非常に保守的な日本企業のトップを、生え抜きの外国人がつとめるのは土台無理なはなしであったのだ」と、全くの無理解と会社発表への妄信に基く愚かな感想を抱いてしまったもの。同じニュースを見て、とある先輩が、「多分裏があるから、きっとオリンパスの株価は今後乱高下するぞ」と予想されていたのはさすがでした。(当然ながら、金融機関に働く我々は株式の売買は厳しく禁じられています。)

恥ずべき話ではあるけれど、少なからず日本の金融界や経済界には、著者の行動を「空気が読めない蛮行」と非難したものはいたと思う。
オリンパスほどあからさまに違法かは別として、バブル後に多くの経営者が「飛ばし」によって失態への帳尻あわせを行ったことはかなり確度の高い事実。
そして、「組織という名の大義のもとでは、悪を善と看做す」ことが許される日本では、CEOでありながら組織の根幹を揺るがす告発を行った著者の行動が奇異に移ったのかもしれない。
しかしこの本を読めば、著者の行動と判断の軸は、決して名誉や金への執着ではなく、会社への愛と正義であったということが身に染みてわかる。
語弊があるかもしれないが、著者が頭が切れるとはこの本を読んで感じることはできなたかった。ただ、その場その場で、常識 と良心 に従った適切な判断を下せているのは素晴らしい才能だと思う。


事実の概要が明らかになり、著者はCEO復帰を目指すが、そこで大きな障害となったのがメインバンクと安定株主の無理解であった。
著者から充分な判断材料を得ていたにも関わらず自分の意思で適切な判断を下せない取締役が残る人事など茶番であり、いかにオリンパスの技術が競争力を有するとはいえ、無能な取締役が残ることに株主・従業員・債権者ももっと反対・不満の声をあげるべきであると思う。

空気を読むことは大事かもしれないが、無批判な仲良し集団では、せっかくの利益の源泉をフル活用することはできない。
将来に対する危機意識をしっかり持ち、「飛ばし」のように先送りせずに現実を直視できるリーダーがもっと登場することを願ってやまない。

私は常日頃「将来は頭取になる!」と嘯いてはいるのだが、頭取ではないにせよ自分が上の立場に立ったときに、
ウッドフォード氏のように、会社の利益と良心という視点から大局的に判断できるビジネスマンになりたいもの。
そのためには、もっと経営者が書いた本を読まなければいけないなと痛感させられた。


満足度
☆☆☆☆★

  1. 2012/10/05(金) 01:01:43|
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『七十歳死亡法案、可決 』垣谷 美雨

書店でみかけて、インパクトの強いタイトルにひかれて購入。
タイトルの通り70歳で全員が死ぬのであれば、高齢化に起因する財務負担も解決するし、若者も老後の心配はしなくなるので、消費が増え経済は好転するのではないかと思う。

この本のあらすじは、70歳死亡法案の施行を控えたとある家族にフォーカスして、生きる意味や幸せとは何かについて考えていくといった内容。一見すると非人道的なタイトルのような印象をうけるが、筆者は決して生きることや老人を否定しているわけじゃないということは、後半まで読めば分かる。


年金や福祉の制度が既に破綻しかかっているというのに、高齢者は既得権益の維持を若者は将来への負担繰延への反対を負担する。キャッシュインとキャッシュアウトのバランスが成立していないのだから、給付を減らすのか、負担を増やすのか、もしくはその両方かどれかをしなければならないのに、高齢者・若者の意見が平行線をたどりつづけ、問題の先送りという解決策にはならない選択肢を取り続けた結果、治癒不可能なレベルまで日本の財政は傷ついてしまった。


誰かが譲歩しなきゃいけないけれど、人は追い詰められないと自分の負担を増やそうなどという殊勝な心がけなんてできない生き物だから。
何か大きなショックを加えてあげて、「日本の財政がヤバイ」ってことに気づかせることが必要。
そういった観点から見れば、70歳死亡法案は、多くの日本人が、人生について、介護について、国の財政について、世代間格差について考える真剣に考えるいい機会なんじゃないかと思う。

徐々に大きくなる傷があって、対処療法的に市販薬を投薬するのではなく、逆に傷を広げてさらに出血させることで、ブラックジャックが登場してくれるのに期待するというのもありなんじゃないかな。


「寄付」や「ボランティア」という善意に頼りながら国の将来について語るのはナンセンスかもしれないけれど、
みんなが譲り合いの精神を持って行動すれば、財政問題や高齢化問題も案外簡単に解決できるのかもと、最後まで読み進めながら感じた次第。いまの福祉サービス水準と負担金額を維持して、日本の国債をいずれ弁済できるようなウルトラCなんてないのだから、政治家の求められるのは素晴らしい解決策を提案する力ではなく、根気よく説得を続けて理解を求めるような人間力なのだと思う。


  1. 2012/10/03(水) 00:23:55|
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踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望

会社の部活も不戦勝で流れてしまったので、男一人で映画鑑賞(泣)


最初のドラマが放送されてから既に15年も経過しているとは。
言われてみれば皺や白髪も増えたキャストが多くなった気はするけれど、時間がたつのは早いものです。
なぜに年を重ねるごとに1年や1か月があっという間になっていくのか摩訶不思議。


映画の感想はというと、今年見た邦画の中では一番という大満足な映画でした。
最後のオチは少しチープな印象があったように感じられたけれど、
自らの正義を貫いた犯人の行動もすごい納得できるところがあったし、
去り行くものの哀愁や、腐りきった組織の汚さ等感情に突き刺さってくるような要素がふんだんに盛り込まれていて。

理想を実現できない組織への若手幹部たちの葛藤などは、自分も社会生活を営む者として共感できるところは多々ありました。
ある程度組織が強大化すると、自分で判断できない人間や優秀でない人間、やる気がない人間が出てくるし、
不正の事前予防や、事後的な結果責任の追及という観点からもルールは絶対に必要であり、
その中でも特に厳しいルールに服さなければいけないのは、警察のような巨大な権力を持った組織なのだと。

理想は、組織に属する個が、常に最善的確な判断を下すことができることだけれども、
到底そのようなことは夢物語であるし、トップも責任を取りたくはないから、ガチガチにルールを固めざるをえない。
しかし、ガチガチのルールは柔軟性に欠けるので、時には想定されないケースを招くこともある。
そのバランスをいい塩梅でとるというのは非常に難しいのだろうな。
決まり通りに行動すれば責任は回避できるし、思考停止していてもOKなので非常に楽。
でもそれじゃぁまずいということは、何か大きなものを失うまで人は気づくことはできないのかも。

主人公の正義感を自分の軸として行動する熱い人間が一人くらい組織にいてもいいのかもしれない。
多分、自分の組織に青島がいたら絶対に仲良くはなれないし、むしろ正面衝突するとは思いますが(笑)

組織とは何か、組織を正すために許される正義とは何かを考えさせられた映画でした。

満足度
☆☆☆☆☆


  1. 2012/10/01(月) 23:56:26|
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