くらげたちへのレクイエム4

都内金融機関にて社会人7年目。 東京大学法学部卒。メインは読書記録を書いていく予定。▽キーワード:自己啓発、金融、野球、政治、M&A、競馬、AKB、大家志津香、異国のパルピタンテ、ヴィヴィアン・ゆん、dora☆dora、一色葵

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

『七十歳死亡法案、可決 』垣谷 美雨

書店でみかけて、インパクトの強いタイトルにひかれて購入。
タイトルの通り70歳で全員が死ぬのであれば、高齢化に起因する財務負担も解決するし、若者も老後の心配はしなくなるので、消費が増え経済は好転するのではないかと思う。

この本のあらすじは、70歳死亡法案の施行を控えたとある家族にフォーカスして、生きる意味や幸せとは何かについて考えていくといった内容。一見すると非人道的なタイトルのような印象をうけるが、筆者は決して生きることや老人を否定しているわけじゃないということは、後半まで読めば分かる。


年金や福祉の制度が既に破綻しかかっているというのに、高齢者は既得権益の維持を若者は将来への負担繰延への反対を負担する。キャッシュインとキャッシュアウトのバランスが成立していないのだから、給付を減らすのか、負担を増やすのか、もしくはその両方かどれかをしなければならないのに、高齢者・若者の意見が平行線をたどりつづけ、問題の先送りという解決策にはならない選択肢を取り続けた結果、治癒不可能なレベルまで日本の財政は傷ついてしまった。


誰かが譲歩しなきゃいけないけれど、人は追い詰められないと自分の負担を増やそうなどという殊勝な心がけなんてできない生き物だから。
何か大きなショックを加えてあげて、「日本の財政がヤバイ」ってことに気づかせることが必要。
そういった観点から見れば、70歳死亡法案は、多くの日本人が、人生について、介護について、国の財政について、世代間格差について考える真剣に考えるいい機会なんじゃないかと思う。

徐々に大きくなる傷があって、対処療法的に市販薬を投薬するのではなく、逆に傷を広げてさらに出血させることで、ブラックジャックが登場してくれるのに期待するというのもありなんじゃないかな。


「寄付」や「ボランティア」という善意に頼りながら国の将来について語るのはナンセンスかもしれないけれど、
みんなが譲り合いの精神を持って行動すれば、財政問題や高齢化問題も案外簡単に解決できるのかもと、最後まで読み進めながら感じた次第。いまの福祉サービス水準と負担金額を維持して、日本の国債をいずれ弁済できるようなウルトラCなんてないのだから、政治家の求められるのは素晴らしい解決策を提案する力ではなく、根気よく説得を続けて理解を求めるような人間力なのだと思う。


スポンサーサイト
  1. 2012/10/03(水) 00:23:55|
  2. reading
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<『解任』マイケル・ウッドフォード | ホーム | 踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://greedislegal.blog.fc2.com/tb.php/74-8c8dfabb
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。